当分お宅にいるの
エレーヌが家に帰ってみると、シャルロットとフロランスが
キッチンで我が物顔に食事している。
「息子は?」「大学よ」
部屋をみると台風のように散乱。足の踏み場もない。
この家にいる男も女も、洗濯機を回したことすらない。
女たちはシャアシャアと
「アパートは修繕中だから、当分お宅にいるの」
いるなら少しは居候らしくしたらどうだ。
「買い物に行くわ」と、エレーヌを見て
「パンを買っといて。冷蔵庫が空っぽよ。お風呂に入るなら
私たちの後にして。バスタブに洗濯物を乾かしてあるの」
無言のエレーヌにふつふつとマグマがたぎるが
女の子らは気づかない。
父親の振る舞いをそのまま受け継いだ息子、
その息子が付き合う女、
女性監督ならではの、女のアホの描きぶりが凄まじい。
〜「女はみんな生きている」〜