料理するのは今日が最後よ
何食わぬ顔を装うものの、ノエミに火をつけられたポールは
寝ても覚めてもノエミが忘れられない。
家では妻エレーヌが料理している。
「何してる?」
「料理よ」
息子「魚はキライだ。クソ食らえ」
エレーヌの手が止まる。
「何と言ったの? クソ食らえ?」
「かもな」
堪忍袋の緒が切れたエレーヌは引導を渡す。
「あなたたちのために料理を作るのは今日が最後よ。
明日からは自分で作って」
「マジかよ」
「口に気をつけるのね」
よくこの程度で我慢したと思うわ。
〜「女はみんな生きている」〜