幸いあれ、幸いあれ
歌声とピアノが修道院の外にまで聞こえた。
一人、また一人と若者が覗き、教会に入って腰かけた。
前代未聞だ。
ところが院長は
「何を考えているの。劇場じゃあるまいし」と苦い顔。
「劇場やカジノは楽しいから人が集まるのよ。
教会だって面白くすればいいのよ。楽しければ人はくるわ」
閑古鳥が鳴いて存続の危機にある修道院に、
人が集まるほどありがたいことはない。
「あなたの修道院存続にかける大胆な試みと情熱を
大司教に報告します」渋々譲歩した。
〜「天使にラブ・ソングを」〜