雑用をやりなさい
修道院には聖歌隊があった。
音程の狂った合唱にバラバラの声。院長さえ眉をひそめ、
こっそり耳をふさいでいる修道女もいる。
ドロレスは「お話があるのだけど」院長に申し出るが
「雑用をやりなさい」
その結果、ドロレスは大きなお尻を持ち上げ床拭き、食器洗い、椅子磨き。
「仕事とお祈りばかりで気がへんになりそう。ここは悪夢もいいところよ」
ぼやくドロレスにメアリー・ロバートが話しかけた。
いちばん若い、心やさしいシスターだった。
〜「天使にラブ・ソングを」〜