「放してよ」「死なないで」

 

「放してよ」「死なないで」

 

珠子に藤原と結婚して欲しいかとお嬢様が問うと、

幸せになれると思うと答えた珠子にお嬢様はひどく腹を立て、

何度も平手打ちして部屋から追い出し、発作的にロープを取り出し

庭の桜の木に走り、ロープを縛り付けた。首を吊ろうと足を離したのに

ぶらさがらない。

いつの間にか珠子が抱き支え、死なせるまいとしています。

「お嬢様、私が悪かったのです」

「放してよ」「死なないで!」どないするつもりでしょう…

 

(「お嬢さん」 )

 

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