私の珠子、私のスッキ

 

私の珠子、私のスッキ

 

秀子はひとりぼっちだった。母親とは産まれた時に死別、叔母は自殺、

変態の叔父の家に引き取られ、春本を朗読、婚約者は財産狙いの詐欺師。

異様な環境から脱出しようと珠子を身代わりに選んだが、珠子といて

初めて愛情を知った。

自分のために本気で怒ってくれる人などいなかった。

書庫をむちゃくちゃにして怒りをぶつける珠子に、お嬢様はつぶやく。

「私の珠子、私のスッキ」

 

(「お嬢さん」 )

 

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