愛してる、フィリップ・モリス!
スティーヴンが他の刑務所に移送される。
同じ刑務所の他の棟でも房でもない、よその刑務所だ。
どうあがいても、もう会えない。
スティーヴンが護送車に乗ろうとしているのが見えた。
フィリップは無我夢中で中庭を突っ切って追いかける。
「金髪碧眼」は標的にされるから、今まで引きこもっていた
フィリップが、荒くれ男たちがうようよタムロしている中庭を
走っているのだ、自分を追いかけて。スティーヴンは胸が熱くなる。
フィリップは走りながら叫んだ。
「愛してるよ、スティーヴン!」
車の中からスティーヴンも叫び返した。
「愛してる、フィリップ・モリス!」