許してくれる?

訊いてちょうだい、何でも

 Ask me things, Please.

 

訊きたいことがあるけど

それをあなたがどう思うかがわからない、

そう気にするテレーズに「訊いてちょうだい、なんでも」

押し殺したような声でキャロルが懇請します。

万事受け入れますってことね。合意に達したのと同じよ。

それで得心したのか、安心したのか

翌日テレーズは何も訊いていません。

これが後でちょっと悔いを残すことになりますが。

ともあれ、ここで肝心なことはキャロルが年齢差を飛び越え、

うんと年下みたいにテレーズにすがりついていること。

受話器なんか、ヒシと抱きしめていましたよ。

 

(「誘惑者キャロル」)

 

 

bn_charm