タジオも疲れているようね

タジオも疲れているようね

アッシェンバッハにダーク・ボガード、彼が虜になる美少年タジオが

ビョルン・アンドレセンです。ルキノ・ヴィスコンティのメガネにかなったというだけに、まことに美しい。

セレブ一族であるタジオの一家もバカンスに来ていた。

母親(シルヴァーナ・マンガーノ、ヴィスコンティお気にいりの女優)は、

先に到着していた。タジオは長男です。

母親の手を取り接吻する。晩餐の席につく息子の後ろ姿を見て、母親がメイドにいうのが上のセリフ。

タジオは中学生くらいです。この少年は食べ盛りなのに、ガツガツ食べるわけでもない、大声で笑うわけでもない、カメラは常に少年の後ろ姿、佇む姿、

微笑する顔を映します。まあ、ズブの素人だから、監督がそれくらいにしたのでしょうが、早々と「疲れた」少年とは。

そう、彼は本来「死の象徴」なのです。

 

(「ベニスに死す」)