いろいろ書いてあるわね…

いろいろ書いてあるわね…

 

バーバラの家はマスコミに取り囲まれている。シーバは蟄居したままで。

報道陣をかき分けてバーバラは家に入らねばならない。一瞥して気がついた。

部屋という部屋が散乱していた。

「シーバ」と呼ぶと、部屋の奥の暗がりに腰掛け、

押し殺した声で「私のこと、いろいろ書いてあるわね」

ピンセットで拾い上げたシーバの金髪をノートに貼り付けてある、

事細かな描写と、それに

「なんですって!ベンやリチャードがいないほうが、私は幸せですって?

ピザの領収書まで貼ってあるわ!」

バーバラの常軌を逸した偏執ぶりに、シーバの憤怒が激発する。

 

(「あるスキャンダルの覚え書き」)

 

 

bn_charm