エーゲ海の誘惑20160218

 

「あなたもわたしを愛してくれたのでは」
「戦争で島に男がいなくなったから女を相手にしただけよ」

こんなはずじゃなかった…という幻滅は恋愛には付き物。 恋愛とは錯覚であると言ったの、だれでしたっけ。 ヒロイン、サッフォーは新婚旅行で寄港したレスボス島で、住民の若い娘ヘレンに出会い、たちまち恋のとりことなる。 ヘレンは始めからお遊びとカネ目当てのひどい女。 世間知らずのお嬢さん、サッフォーなんか赤子の手をひねるようなもので、夫まで籠絡する。 サッフォーは悲観して崖から身を投げる。 いくらドジふんだとはいえ、こんな女相手に死なんでええやろ。

(「エーゲ海の誘惑」)