Diversity Studies

あなたに尽くすわ

~汚れなき情事㉕〜

  あなたに尽くすわ   ベッドに横たえたフィアマの耳元でエヴァ先生はささやく。 「あなたに尽くすわ。知ってるでしょ。私たちは仲良くなるの。 全てを分かち合うのよ。一緒に世界を見ましょ。 ダイヤの原石を鞍に隠して、海賊と一緒に南米にわたるの。 島にも行きましょ。そこは未踏の地で...

私が面倒みるわ

~汚れなき情事㉔〜

  私が面倒みるわ   フィアマはすっかり溶け込み、みんなと一緒にお酒を飲みました。 倒れこんでしまいます。 覗きに来たエヴァ先生が顔色を変え抱き起こす。 「私が面倒みるわ。この姿が見つかったらたいへん」 でも言葉通り受け取れなかった生徒が一人。ダイです。 フィアマとダイは友...

私が許可しました

~汚れなき情事㉓〜

  私が許可しました   「なにごと?」騒ぎを聞きつけて先生の一人が様子を見に来る。 寮室の階段の下にはエヴァ先生がタバコをふかしている。 「ずいぶん騒がしいわね」「深夜の宴です。私が許可しました」 「ずいぶん出すぎたことを」 エヴァ先生、ジロリ。冷たく「年寄りは寝てて」 思...

「どう?」「すごくキレイ」

~汚れなき情事㉒〜

  「どう?」「すごくキレイ」   部屋の床に座り込み、女子たちはメークに夢中だ。 ダイがフィアマをメークアップしてやる。 口ひげをつけ、頬紅を塗りたくり、眉を濃く、海賊みたいになる。 「どう?」「すごくキレイ」フィアマは大いに気に入る。 床一面に果物のカンヅメ、キャラメル、ビ...

フィアマ、何かアイデアは?

~汚れなき情事㉑〜

  フィアマ、何かアイデアは?   生徒たちがコンパで何か楽しいことをやろうと決めた。休み時間、 広い庭に座り「フィアマ、何かアイデアは?」とダイが訊く。 フィアマは驚いたようにダイを見て、嬉しそうに自分の案を言う。 「聖アグネスの前夜祭なんてどうかしら。儀式を行うと、 未来の...

あなたにあげる

~汚れなき情事⑳〜

  あなたにあげる   他流試合は先生が許可せず沙汰止みになった。 朝、生徒たちが洗面所で顔を洗っている。 フィアマとダイが二人きりになった。こまごましたお手入れの小物を 鏡の前に並べるフィアマを、珍しそうにダイが見ている。 何と言っても女の子ですから、メークに興味がないはずは...

他の学校と試合を

~汚れなき情事⑲〜

  他の学校と試合を   フィアマの失踪騒ぎも一段落した。 ダイビングの授業で、フィアマが提案した。 「自分たちばかりでやっていては力がわからない。 他校と競技するのはどうでしょう」 エヴァ先生はドキッとする。よその学校? 知らない土地で 初めての人間と会う? 考えただけで身...

フィアマ? 知りません

~汚れなき情事⑱〜

  フィアマ? 知りません   夜の点呼でフィアマの不在がわかるがみなシラを切る。 「フィアマ? 知りません。自分勝手な子ですから」とダイ。 フィアマは港の桟橋で長距離電話をかけたがつながらない。 夜は更ける、気温は下がる、誰もいない。 深夜、警官に保護されてフィアマが戻った。...

食糧とお金と地図よ

~汚れなき情事⑰〜

  食糧とお金と地図よ   フィアマばかり可愛がると、ダイはフィアマを目の敵にする、 復讐に出る、フィアマはかえってかわいそうな目にあう、 冷静に対処することがフィアマを守ることだと、 それくらいエヴァ先生はわからなかったのでしょうか。 バレバレの愛情表現にダイは思い切った行動...

これを食べて元気を出して

~汚れなき情事⑯〜

  これを食べて元気を出して   食事の時間、エヴァ先生の買い物の品々はフィアマの前に並べられる。 ロールケーキにタルト、普段食べたこともない豪華なスイーツ。 「これを食べて元気を出して」と先生はやさしくフィアマに。 みなうらやましそうだ。 でもえこひいきしないでと、校長は釘を...