Diversity Studies

本当の幸せを感じていた

〜 「ユンヒへ」38〜

本当の幸せを感じていた   手紙は続く。 「あなたに会っていたとき、本当の幸せを感じていた。 あんなに充実した時代は二度と来ない。 全てが信じられないほど昔のことになってしまったわ。 あのとき別れようと言ったのは私の本心だった。 両親はあなたを愛している私を病気だと思...

ジュンへ。元気にしてる?

〜 「ユンヒへ」37〜

ジュンへ。元気にしてる?   韓国に戻ったユンヒからジュンへの手紙。 「ジュンへ。元気にしてる? 手紙をもらってする返事を書いているの。 遠くからお父様の冥福を祈ります。 あなたの手紙は重荷じゃなかった。 私も時々、あなたのことを思い出して気になっていたの」 差...

「おばさん、何しているの?」

〜 「ユンヒへ」36〜

「おばさん、何しているの?」   ジュンが運河から帰ってきた。 「おばさん、何しているの?」と聞く。 何をしているか見たらわかりそうなものだ。 おばさんにしたら、再会のセッティングがどうなったか 気になっていないはずはない。 ジュンはユンヒとの邂逅には 仕組みが...

「久しぶりね」「そうね」

〜 「ユンヒへ」35〜

「久しぶりね」「そうね」   運河に沿って歩くユンヒとジュンの後ろ姿が映る。 「久しぶりね」「そうね」 会話はそれだけ。二人の間はやや離れていて、 密着しているわけでもない。 腕を組むわけでも手を繋ぐわけでもない。 通りすがりの見知らぬ同士が歩いているのと同じだ。 ...

「……」

〜 「ユンヒへ」34〜

「……」   クライマックスは沈黙のシーンです。 ジュンとユンヒは見つめ合っているだけで言葉もない。 赤いポストの影でセボムが成り行きを見守っているが、 高校生の女の子は、母とその別れた恋人が ただぼんやり突っ立っているだけに見えたでしょう。 ユンヒを演じるキム・ヒエ...

ユンヒなの?

〜 「ユンヒへ」33〜

ユンヒなの?   ジュンは運河のほとりで待っている。 約束を取り付けた女子高校生らしい人物はいそうもない。 目を配っていると、やや離れた場所に立っている 黒いコートを着た、背の高い女性がいる。 セボムの「午後6時に食事云々」の提案に どことなくうさんくさいものを感じて...

運河の時計の前で

〜 「ユンヒへ」32〜

運河の時計の前で   次は母ユンヒに連絡する。 「ごめんね、最後の夜なのに一緒におれなくて。 運河の時計の前で6時に会おうか」 小樽の運河は赤煉瓦の壁がある、クラシックな地域、 観光名所になっています。 そこで母と待ち合わせて食事の約束をした。 〜「ユンヒへ」〜 ...

母から話を聞きました

〜 「ユンヒへ」31〜

母から話を聞きました   「一度お会いしたかったのです」とセボム。 「母から話を聞きました。母は今回来ていません。 夕方6時には何を? 一緒に食事でもお願いできますか、 友達とケンカして一人になったので」と、作り話をする。 娘は娘なりに、なんとかユンヒとジュンの20年ぶりの...