娘とここを離れるわ
シーン転換。
ユンヒが兄の写真館に小樽で写した写真の現像を頼みます。
この兄という人が、韓国の男性優位社会を代表する存在です。
「旅行先はどこだ」
「兄さんに話す必要、ないわ」
「証明写真を何に使う?」
「履歴書に貼るの」
「お前に何ができる。手に職もないし、キャリアもないだろ」
「セボム(娘)とここを離れるわ。挨拶にきたの。
兄さん、元気でね」
未練なくユンヒは店を出る。
同性愛者であることで傷つき、結婚に失敗し、職場はクビ、
いいことなしだった半生に別れを告げ、
ユンヒは初めて自己主張しようとしています。
〜「ユンヒへ」〜