女の気持ちは謎だが
前大蔵卿ゴドルフィンがサラを訪ねた。
ハーリーがサラの夫を総司令官から降ろすべきだと
女王に進言する席で、1人庇った人物だ。
彼は戦争推進派、つまりサラと同じ意見だった。
「講和は大幅な譲歩を強いられた」
「やはりね」と頷くサラ。
「女の気持ちは謎だが」と彼は話題を変え
「赤子が泣くように心の傷に苦しむ」と言った。
「何が言いたいの?」
もちろん女王のことです。
長年仕えてきた彼には、わがままで、移り気で、
赤子みたいではあるけれど、今は心に傷を抱えている、
それがよく見えたのでしょう。
〜「女王陛下のお気に入り」〜