珠子と秀子は逃走した

 

珠子と秀子は逃走した

 

藤原は上月の手の者に捕まり、地下の拷問部屋に監禁されました。

上月がうつろな目でつぶやきます。

「秀子と珠子は逃走した。稀覯本は破壊された。自分はいやらしい話が

好きな老人に過ぎない。お前だけは話してくれ」と藤原に頼んでいる。

骨の髄まで変態ですね、この人。話してくれというのは、藤原と秀子の

初夜の営みのことです。何にもなかったのですが、上月はヨダレを

たらさんばかりにして聞きたがる。さすがの藤原も辟易します。

(いやらし〜)を通り越して、上月は滑稽に見えてきます。

そこがパク監督の狙いだと思います。悪人は悪人なのだけど、

滑稽な悪人もいるという人間図鑑が。

(「お嬢さん」 )

 

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