太陽がいっぱい20160224

 

「フィリップ! フィリップ!」

アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」は、のちの「リプリー」とちがい、男ふたりのゲイの関係は前面にでていませんが、ルネ・クレマンは周到な雰囲気をつくってそれを暗示しています。
トムのフィリップへの憎しみと絶望が爆発するのが、ヨットからおろされ、ボートで海に置き去りにされたシーン。
「フィリップ」とよぶトムの絶叫が波にかきけされる。
美しい地中海の海と空が、殺意を呼びさます悽愴なシーンです。

(「太陽がいっぱい」)