ヒュー・グラント

夢だよ、モーリス、破滅だ

〜 「モーリス」52

夢だよ、モーリス、破滅だ   「行かないでくれ」とモーリス。 「ここに残れ? 正気か。お前の母親は俺を見てどう思うかな。 俺の家族だって驚く。 金と地位を捨てるのか?」 「平気さ。地位がなんだ。僕らには頭と丈夫な体がある。 どこかよその土地へ行こう」 「無理だよ...

ビタ一文もらう気はない

〜 「モーリス」50

ビタ一文もらう気はない   身分の違いくらいスカダーにもわかっています。 しかし引き下がる気はない。 「ボートハウスで待っていたのに、なぜ来なかった」 「怖かった」。モーリス、びびっています。 「俺はビタ一文、もらう気はない。 指一本だって傷付けるものか。 今夜...

結着はつけてもらうぜ

〜 「モーリス」48

結着はつけてもらうぜ   スカダーはなお続ける。 「逃げようたってそうはいかないぜ。 結着はつけてもらうぜ。 楽しんだ代金は払うんだ」 凄みを効かせています。その割にモーリスは落ち着いている。 「よく考えるのだな」と言われても、 悩んで何かを考えるようには見えな...

俺を弄んだってわけか

〜 「モーリス」47

俺を弄んだってわけか   モーリスの職場、株取引所にスカダーが来た。 (ドキッ)「なんの用だ、スカダー」 モーリスの慌てように 「俺が恥ずかしいのか、迷惑なのかい?」 「違うよ」取り繕うモーリスに 「知っているぜ、ご主人とのこと。ここがあんたのオフィスか。 犬扱...

なぜあいつにわかったのか?

〜 「モーリス」46

なぜあいつにわかったのか?   スカダーにはテレパシーがあるのか。 「なぜあいつにわかったのか、僕に隙のあったあの夜に」 もやもやと踏ん切り悪く、ぶつぶつ言っている男に 付き合っておれんとばかり、医師はスカダーの手紙を燃やします。 身分違い、教養のなさ、とかばかり気になるモ...

教養もないあいつの虜だ

〜 「モーリス」45

教養もないあいつの虜だ   スカダーの手紙を読むモーリス。 「あなたを胸に抱き分かち合いたいのです。 その思いは言葉では言い表せません。 お会いできるまで夜も眠れません。 あなたを思う、アレック・スカダー」 そして律儀に「猟番」と署名してあった。 モーリスはうめ...