Diversity Studies

「ここにいて」「何のために」

〜 「エミリア・ペレス」26

「ここにいて」「何のために」   用が済んだリタはロンドンへ帰ると言った。 エミリアは帰したくなさそう。 「ここにいて」「いい加減、諦めて。何のために?」 「ここで遊んで暮らせるのに、ロンドンへ帰る?」 「子供は?」とエミリアが聞く。 「欲しいけど、まず男を探す」 ...

ゴージャスな刑務所

〜 「エミリア・ペレス」24

ゴージャスな刑務所   金に糸目をつけない、至れり尽くせりの暮らしだが、 マニタスの妻、ジェシーの顔は浮かない。 「やさしい従姉のゴージャスな刑務所、 馬鹿げた高級品に囲まれて 愛想笑いしながら、感じよく挨拶を お前のボス、エミリアおばさんに新しい看守 ご親切な...

私の子供たち、私の家族

〜 「エミリア・ペレス」23

私の子供たち、私の家族   「迎えを頼まれました。 誰にも知られぬよう、細心の注意を」とリタ。 妻も子供たちも4年間、やっと慣れたスイス生活だ。 暮らしに不自由はない、スキーもできる、 それなのに。 リタは、メキシコで安心して暮らせるようになった、 受け入れてく...

あなたにお願いがある

〜 「エミリア・ペレス」22

あなたにお願いがある   リタはピンとくる。 偶然の出会いなどではない。 エミリアは「あなたにお願いがある」 やっぱり。 「子供たちと一緒に暮らせるよう、メキシコに連れ戻してほしい。 子供たちが忘れられないの。お願いよ」 腐れ縁と言おうか、何と言おうか、 ...

「あなたね」「ビンゴ!」

〜 「エミリア・ペレス」21

「あなたね」「ビンゴ!」   4年後のロンドン。 リタはセレブの仲間入り、豪勢な夕食会にいる。 リタに見知らぬ美人が話しかけた。 「あなたには他の人と違う何かがある。素敵だと思った」 「私はメキシコ人よ」とリタ。 「私も、よ」 つくづくと彼女の顔を見たリタ、 ...

私はエミリア・ペレス

〜 「エミリア・ペレス」20

私はエミリア・ペレス   大手術だった。 顔中の包帯、固定された手足、身体中に入ったメス、 手術後に襲う激しい痛みに耐える。 ある朝、マニタスは窓辺に立った。 その後ろ姿は完成した新しい体だった。 「エミリア・ペレス」が生まれたのだった。 〜「エミリア・ペレス」〜 ...