監督 フィリッポ・メネゲッティ

おじけついたのね!

〜 「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」12

おじけついたのね!   クリーニングを取りにきたマド。ニナは外で待っている。 不動産屋と立ち話をしている。鋭い視線をマドに向けた。 ニナが売却の中断を知ったとわかる。 「怖気付いたのね」と鋭い口調で責める。 マドはオロオロ。 「言おうと思ったのだけど」 「これで...

死ぬのを待っていた

〜 「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」9

死ぬのを待っていた   父親の遺した時計を息子が欲しいと言うので 「持っていけば。あの時計にはうんざり」 夫で苦労したマドがいう。 その言葉尻を捉え(うんざりしたのは) 「パパにもだろ。死ぬのを待っていたのだろ」。 いちいち母親に突っかかる。 こんな息子に気兼ね...

私、伝えたいことが

〜 「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」8

私、伝えたいことが   いよいよ、切り出さねば。思い切って 「私、伝えたいことがあって」 みなマドを注視する。 「とても重要なことなの」そこで言い淀む。 一呼吸おき「あなたたちを誇りに思っている」 移住に関係ない。 「お祝いに来てくれてうれしい」 娘も息子...

おばあちゃんにキスは?

〜 「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」7

おばあちゃんにキスは?   翌日はマドの誕生日だった。 娘と、母親に疎ましい息子もフレッドも来てくれた。 娘は孫のテオを連れてきた。 「おばあちゃんにキスは?」 誕生パーティに、 マドは移住を打ち明けねばならない。 孫と楽しそうなおしゃべりを装いながら、マドは悩...

マド、気が変わった?

〜 「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」6

マド、気が変わった?   ニナにはどうもマドの様子が気になる。 表情が冴えない。 「マド、気が変わった?」 「家族には明日、伝えるって言ったでしょ。 アパートを売ってローマに引っ越すって」 マドはややケンのある答え方をする。 移住計画は早くも先行きの不安を帯びて...

ニナ、時間よ、起きて

〜 「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」5

ニナ、時間よ、起きて   ニナがマドの部屋に泊まり、朝になると自分の部屋に戻る。 たった数メートルの距離でも離れがたい。 不動産業者が来て、 売却手続きに必要な書類を整えておいてくれと言って帰った。 立地もいい、間取りもいい、売却値段は25万ユーロ。 いい値段だ。移住...

ママの浮気を責めた時も

〜 「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」4

ママの浮気を責めた時も   アンヌは子供の時から母親が弟の肩ばかり持つと不満げだ。 「ママの浮気を責めた時も、何も言い返さず黙っていた。 なぜ浮気を?」 「話してどうなるの」母は話したがらない。 「そうね」娘はあっさり話を切り上げる。 マドレーヌの結婚生活は不幸だった...