監督 パヴェル・パヴリコフスキー

私の憧れよ

〜 「マイ・サマー・オブ・ラブ」14

私の憧れよ   タムジンの部屋でエディット・ピアフの「群衆」を聴いた。 「私の憧れよ。素敵なパリの女で最高に悲劇的な人生。 3回結婚してどの夫も謎めいた死を遂げた。 3人目のボクサーは彼女がフォークで刺殺した」 モナはピアフを知らない。黙って聴いている。 「憧れ」にタ...

アタマ空っぽのクズ女!

〜 「マイ・サマー・オブ・ラブ」13

アタマ空っぽのクズ女!   タムジンがつれてきたのは 「パパの愛人の家よ。ジャガーが停まっているでしょ。 しょっちゅう来ているの。パパの秘書よ、サイテー。 くだらない女、アタマ空っぽのクズ女」 罵りながらタムジンは泣く。 痛ましげにモナが見つめる。 〜「マイ・サマー...

「どこへ?」「いいから」

〜 「マイ・サマー・オブ・ラブ」12

「どこへ?」「いいから」   運転手付きの車でタムジンが来た。 「モナはいるかしら」 「家の中だ。入って左だ」 兄は丘に建てて悪を鎮める巨大な十字架を作っていた。 モナがいた。 「車を待たせている。行こう」 「どこへ?」 「いいから」 強引にタムジン...

兄さんたち、バカみたい

〜 「マイ・サマー・オブ・ラブ」10

兄さんたち、バカみたい   パブの集会。 「あなたは心の糧、命の泉」と兄が説く。 「神は死んだ!」とモナが遮る。 「兄さんたち、バカみたい」。 モナは同年の女の子たちより苦しい経験をしています。 父の蒸発、母の死、男との不倫、何が神々だ。 兄のやっていることはイ...

日が暮れたテニスコート

〜 「マイ・サマー・オブ・ラブ」9

日が暮れたテニスコート   タムジンとモナはワインを飲みすぎて テニスコートで眠ってしまった。 気がつくと日が暮れていた。 タムジンはいない。肌寒くなってきた。 置き去りにされた帰り道、灯りのついた部屋で 家族と夕食を囲むタムジンがいた。 〜「マイ・サマー・オブ・ラ...

将来どうするの?

〜 「マイ・サマー・オブ・ラブ」8

将来どうするの?   タムジン「将来どうするの?」 モナ「弁護士になる」 タムジンに冷笑が浮かぶ。 労働者階級で学校もろくに行っていないモナが? タムジンの心理に気づいたモナ。 「屠殺場で働く。ろくでなしを恋人にして 子供をバンバン産む。あとはババアになる、また...

この世には特別な人間がいる

〜 「マイ・サマー・オブ・ラブ」7

この世には特別な人間がいる   テニスコートで。 「ニーチェ、好き?」 「誰、それ」 「哲学者よ。彼によればこの世には特別な人間がいる。 成功を約束された選ばれた人たち。 その他大勢はどうでもいい。 成功者とはシェイクスピア、ワグナー、 お兄さんみたいな偽...

姉は拒食症で死んだ

〜 「マイ・サマー・オブ・ラブ」6

姉は拒食症で死んだ   お互いの身の上を話す。 「兄は強盗、窃盗、ケンカで刑務所に。 私は父親を知らないし、母はガンで死んだ」 「私の姉、セイディは拒食症で」 写真を見てモナが言う。 「すごい美人ね」 タムジンが言い直した。「美人だった」 〜「マイ・サマー・オ...

サンサーンスの「白鳥」よ

〜 「マイ・サマー・オブ・ラブ」5

サンサーンスの「白鳥」よ   タムジンは自室でチェロの練習をしていた。 楽器の演奏なんて、モナが見たこともない光景だ。 曲はサンサーンスの「白鳥」だと教えた。 「私の家も“白鳥”よ。店の名前なの。 でも今は聖堂よ。兄が神に目覚めて生まれ変わったから」 タムジンは驚きも...