ビリー・ゼイン

ああ、詩は素晴らしい

〜 「オルランド」10

ああ、詩は素晴らしい   見事に振られたオルランドが屋敷の図書室にいます。 図書館くらいの蔵書がある部屋で、 脚立に座って詩を朗読する。 「ああ、詩は素晴らしい」 たちまち熱を上げる、この惚れっぽさ。 ウルフの恋人ヴィタ・サックヴィル=ウェストは 大変情熱的な女...

この幸せもいつか終わる

〜 「オルランド」7

この幸せもいつか終わる   「あなたって真面目すぎて真面目じゃないのね」 さっきまでのルンルンを忘れたように塞ぎ込むオルランドに サーシャがそう言います。 「この幸せもいつか終わる」オルランドは憂鬱だ。 「でも今は一緒よ。私を見て」 コサックとして土地の奪い合いを見て...

男って信用できないわ

〜 「オルランド」6

男って信用できないわ   オルランドはサーシャの耳元に 「あなたといるとバカバカしい婚約のことも忘れます」ときた。 すっかりむくれた許嫁 「私と結婚することを忘れたの?」と たしなめますが、馬耳東風。 「男って信用できないわ」 彼女は指輪を投げ捨て婚約はおじゃん...

あの憂い顔がお気に召したのね

〜 「オルランド」4

あの憂い顔がお気に召したのね   オルランドの父と女王の死。真冬。 雪の中を長い葬列が続く。 領地の後継者であるオルランドが先頭に。 参列者の女性たちが声をしのばせ 「お父上と女王の崩御が続くなんて」 「あの憂い顔が女王のお気に召したのね」 なんてヒソヒソ。 ...

決して老いてはならぬ

〜 「オルランド」3

決して老いてはならぬ   「そなたにこの屋敷と領地を与えよう。 だが条件がある。 決して老いてはならぬ。若さを失ったり 痩せしぼんではならぬ」 ドリアン・グレイは、老いさらばえるのは肖像画で、 彼は美と若さを保つのですが、 オルランドの場合、そんな肖像画はない。...

話し相手だった

〜 「オルランド」1

話し相手だった   オルランドは英国の貴族。 いずれ肖像画が壁を飾り、名は歴史に刻まれる運命だった。 だが彼は生を受け入れた時から別のことを考えていた。 権力と領地、財産を受け継ぐ身だったが、 オルランドが求めたのはそういう特権ではなく、話し相手だった。 「オルランド...