あさがおと加瀬さん

加瀬さんと一緒に行くよ!

〜「あさがおと加瀬さん」㉛〜

  加瀬さんと一緒に行くよ!   コーチの見送りを受け、列車に入った加瀬さん。 デッキに立って(!) ホームの端から暴走馬、もとい、駿馬のように走ってくるのは山田。 「旅情」のラストシーンも真っ青です。 「私も東京の大学に、加瀬さんと、加瀬さんと一緒に行くよ!」 ここまでにし...

学校はとても静かでした

〜「あさがおと加瀬さん」㉚〜

  学校はとても静かでした   加瀬さんのいない学校はとても静かでした。 そしてガラーンとして。 山田は叫びました。 「ちがうよ、ガラーンとしているのは私よ!」 加瀬さんがいないなんて、加瀬さんと離れちゃうなんて。 夕方の新幹線で加瀬さんは発つのです。山田は走り出します。 ...

ずっと一緒にいたいのに

〜「あさがおと加瀬さん」㉙〜

  ずっと一緒にいたいのに   生徒たちが下校した放課後、山田はいつものように水をやっていました。 夕日が差し込んで、長い影ができた。 「卒業したらあえなくなるかも。ずっと一緒にいたいのに」 振り向くと加瀬さんが見ていました。 それまでのように、気づかせることなく自分を見ていた...

東京行ったら、どうすんの!

〜「あさがおと加瀬さん」㉘〜

  東京行ったら、どうすんの!   さて山田の親友、三河です。 地元と東京の離ればなれになる二人を見て 「加瀬さんが東京行ったらどうすんのよ!」 山田に詰め寄ります。「不合格になるかも知れない」 山田は心にもないことを言いますが、三河はバッサリ。 「合格に決まっているわよ。大...

加瀬さんには花が似合う

〜「あさがおと加瀬さん」㉗〜

  加瀬さんには花が似合う   山田は加瀬さんを改めて思う。 「加瀬さんには花がよく似合うと思います。  いちばん似合う花はヒマワリです」 夏の日を浴びて太陽に向かい、燦々とかがやくヒマワリね。 山田が描く、花がよく似合う加瀬さんって、 ビューティフルにしてハンサム、そしてタ...

私も山田に育ててほしい

〜「あさがおと加瀬さん」㉖〜

  私も山田に育ててほしい   地元に残り、園芸部でやっていたように、草花に水をやって… そう思っていた山田。 加瀬さんが「私も山田に育ててほしい」な、なんと。 「山田に雑草や悪い虫から守ってもらい、水をかけてもらって 元気にすくすく育ちたい。花になりたいの、私」 加瀬さんか...

大学、どこにした?

〜「あさがおと加瀬さん」㉕〜

  大学、どこにした?   「大学、どこにした?」加瀬さんが聞きます。 「地元にしたよ」と山田。 加瀬さんはインターハイ出場の陸上のエース、 推薦入学で東京の大学に進学できます。 ところが本人は地元大学にすると言って職員会議が開かれていました。 山田は、自分は地元大学でいいと...

私はぶよぶよだし、恥ずかしくて

〜「あさがおと加瀬さん」㉓〜

  私はぶよぶよだし、恥ずかしくて   加瀬さんが嫌いになったなんて(ちがう、ちがう) 山田は必死になって否定。 「私はぶよぶよだから、恥ずかしくて一緒にお風呂に  入れなかったのだよ!」 加瀬さんはやさしいから(そんなことか) でもアホらしい顔をしませんでした。 &nbs...

私、ふられたのかな

〜「あさがおと加瀬さん」㉒〜

  私、ふられたのかな   山田が打ち解けないように、加瀬さんには思えました。 夕方の散歩に出た浜辺で 「私、ふられたのかな」と山田に話しかける。 「私の裸、見て、山田に嫌われたのかな」 理路不整然おびただしいガールズトークですが、 自分の肉体にどこかコンプレックスのありがち...