CCH・パウンダー

すべてもとに戻すのだよ!

〜「バグダッド・カフェ」(11)〜

  すべてもとに戻すのだよ!   「勝手な女だよ。誰が掃除していいと言った。 ここにあったものは? 捨てた? ありがたいこった。 全部ここに持ってきてもとに戻すのだよ! いいね!」 ジャスミンはしょんぼりと、積み上げたガラクタを、オフィスに 運び直す。 側...

だれの仕業よ!

〜「バグダッド・カフェ」(10)〜

  だれの仕業よ!   オフィスは塵ひとつなくピカピカ。整頓されたデスク。 ブレンダは逆上する。 「誰の仕業よ! 誰がオフィスの掃除を!」怒鳴りちらした。 ジャスミンがおずおずと 「私がしたの。綺麗な方があなたも働きやすいかと思って」 ブレンダは、なんと銃...

何か変だ、悪い予感が…

〜「バグダッド・カフェ」(9)〜

  何か変だ、悪い予感が…   ブレンダは買い物に行った。バーテンは昼寝。 ジャスミンは赤ん坊をあやしていたが、何を思ったか、 ゴソゴソ掃除道具を引っ張り出した。 梯子をかけて高い給水塔を洗う、オフィスのガラクタを捨てる、 カフェのテーブルを拭き、床を洗いあげる...

何を着ようと勝手だろ

〜「バグダッド・カフェ」(8)〜

  何を着ようと勝手だろ   通報を受け、保安官のアーニーが来た。 ジャスミンは身分証、パスポート、航空券などを提示させられる。 警戒を解かないブレンダに 「問題はない。旅行者だよ。何を着ようと勝手だろ」 カフェ内のイザコザを、追い出された亭主が望遠鏡で観察して...

変な、怪しい女がきた

〜「バグダッド・カフェ」(7)〜

  変な、怪しい女がきた   ブレンダはジャスミンの部屋に掃除に入った。 ジロジロ持ち物を見る。カミソリ、男物のジャケット、 見たこともない革のズボン。 保安官のアーニーにオフィスから電話する。 「変な女が来た。ローゼンハイムってとこからだよ。 車もなく、...

高級ホテルじゃないのよ

〜「バグダッド・カフェ」(5)〜

  高級ホテルじゃないのよ   ブレンダの客扱いは最初から邪険だ。 「荷物は自分で運んで。高級ホテルじゃないのよ」 ジャスミンはドイツ人だ。英語が充分ではない。 黙って部屋に入ると、壁に妙な絵が。 額縁真ん中に太陽がふたつ光っている。 テーブルは埃だらけ。...

さっさと出ていきな

〜「バグダッド・カフェ」(3)〜

  さっさと出ていきな   亭主は閉口し「ガミガミいうなら出ていく」 「さっさと出ていきな。戻ってくるのじゃ、ないよ!」 出て行ったあと、娘のフィリスが帰り 「ママ、コンサートに行くの。お金貸して」 外にはボーイフレンドが4、5人待っている。 邪険に金を与...

その頭は飾りかい!

〜「バグダッド・カフェ」(2)〜

  その頭は飾りかい!   バグダッド・カフェの女主人が、もう一人のヒロイン、ブレンダだ。 一日中、怒りまくっています。 夫サルはウスノロで、 今日もコーヒーを沸かす機械を買い忘れて戻ってきた。 「あんたのその頭は飾りかい! コーヒーを出せないカフェがどこ...