監督 吉野竜平

絶望的に苦しいんです

〜 「君は永遠にそいつらより若い」23

絶望的に苦しいんです   「何が欠けているって聞かれたらうまく言えないけど、 欠けているってことは確実にわかる。 普通の人が普通に気づくことが私は気付けないし、 普通にできることが普通にできない。 その証拠として今でも処女なんだと思う。 処女であることが恥ずかしい訳で...

私が処女なのは魂のせいなのだよ

〜 「君は永遠にそいつらより若い」22

私が処女なのは魂のせいなのだよ   酒宴が一段落した。 イノギさんが安田との関係を訊く。 「ただのバイトの後輩です」「そっか」 「本音を言うとあいつとあのままそうなってもいいかなあ、 処女捨てられるかなと思った。 今まで私が処女なのは魂のせいなのだよ」 魂の? ...

すご〜い!

〜 「君は永遠にそいつらより若い」21

すご〜い!   ホリガイは卒業式からイノギさんの家に直行する。 豪勢な牡蠣鍋だ。 牡蠣を貝殻から剥がし、レモン汁をかけ、アフアフと食らい、 「すご〜い」 嘆声をあげ冷酒をグビグビ。 佐久間由衣、奈緒、実にうまそうに食べるのが気持ちいい。 撮影前、断食でもしたので...

きっと理由なんてないのだよ

〜 「君は永遠にそいつらより若い」20

きっと理由なんてないのだよ   卒業式。イノギさんから牡蠣鍋の招待のメールが入った。 卒業生たちへの挨拶も気もそぞろに、 出かけようとするホリガイに吉崎が声をかけた。 「ホミネ、事故死じゃない、自殺だった。 前の日の晩、俺たち飲んでいたのだよ。 でも何も変わっていなか...

私も秘密、教えようかな

〜 「君は永遠にそいつらより若い」19

私も秘密、教えようかな   時間軸が入れ替わり、 再びイノギさんの家の前にいるホリガイとイノギさん。 「じゃ、私も秘密を教えようかな。 就活セミナーの講師が、不潔だから 面接の時は髪を上げろと言われた」 髪を上げると耳から頭部にかけ、 生々しい大きな傷跡があった...

え、女の子の写真?

〜 「君は永遠にそいつらより若い」18

え、女の子の写真?   アパートに戻ると安田がまだベッドにいて 壁の写真を指差した。若い綺麗な女の子の写真が 壁の一面を占めている。 「え? 女の子の写真? ああ、あれね。 落ち着くのだよね。 可愛い女の子の計算され尽くした笑顔を見て その世界観に浸っていると、...

君は永遠にそいつらより若い

〜 「君は永遠にそいつらより若い」17

君は永遠にそいつらより若い   「いつかきっと私が見つけ出すから、諦めないで待っていて。 君をさらって君の心と存在を弄んだそいつらは、 どんどん歳をとって弱っていくから、 だから諦めないで。 君は永遠にそいつらより若いのだよ。 だめだなあ。 私はとっちらかったこ...

テレパシーで話せるとしたら?

〜 「君は永遠にそいつらより若い」16

テレパシーで話せるとしたら?   ホリガイは、うわべはチャラいかもしれませんが、 心に決意を持つ熱血女子でした。イノギさんにはわかる。 「ねえ、明君きっと生きているよ。 どこかで17歳になって。 今この瞬間テレパシーで話せるとしたら、なんて言う?」 イノギさんの言うこ...

私が明君を見つけ出してあげよう

〜 「君は永遠にそいつらより若い」15

私が明君を見つけ出してあげよう   夜明けの町をホリガイがイノギさんをのっけ、自転車をこぐ。 とても綺麗なシーンです。中盤のクライマックスと言ってもいい。 ホリガイのナレーションがかぶさる。 「13年前に失踪した明君って男の子、テレビでやってたでしょ。 高2の時、知った。珍...

おいおい、働く前から弱気だな

〜 「君は永遠にそいつらより若い」14

おいおい、働く前から弱気だな   安田がベッドを占領。 ホリガイとイノギさんは台所にしゃがみ込んで話す。 「ちゃんと見てあげればよかったかなあ。目を逸らさず。 そんなお前に人の痛みがわかるのかって、思うよ」 「児童福祉士って虐待の子を助けたり、するのでしょ。 すごいな...