ナオミ・ワッツ

やり直せるのだね、ママ

~アバウト・レイ16歳の決断⑳〜

  やり直せるのだね、ママ   マギーは引っ越すことに決めた。 「できるんだね、ママ」レイは飛び上がって喜ぶ。 「この場所から離れたいんだ。 ドレス姿の僕を知っている人たちから。僕はやり直せるんだね。 本当に実現できるんだ」 子供の頃のドレス姿は自分でない自分の象徴のように思...

トランスジェンダーの子供

~アバウト・レイ16歳の決断⑲〜

  トランスジェンダーの子供   マギーが本を読んでいます。 表紙は「トランスジェンダーの子供」 レイのセクシャルを理解しているつもりでも迷いは湧き上がる。 本を読んでも、さあ、頭に入ったかどうかわかりません。 でもいちばん大切なことはレイの幸福だとだけはわかっている。 往き...

こんな時に追い出すの?

~アバウト・レイ16歳の決断⑱〜

  こんな時に追い出すの?   「母親との同居でなく」1戸を構えたらどうかとドリーは提案。 彼女は現実派です。 「レイが公立に転校したら学費は安くなる。家賃は充分払える」 「こんな時に追い出すの?」くってかかる娘に 「違うわ。外の世界に送り出すの。そろそろ潮時よ」 娘マギーは...

スムーズにいくとでも?

~アバウト・レイ16歳の決断⑰〜

  スムーズにいくとでも?   祖母ドリーはでもマギーより慎重です。 「スムーズにいくとでも?」 「彼(父親)はサインしなかった。 それに可愛い娘と若い奥さんがいたわ。ゾウか何かみたいな名前のね」 ゾウみたいな名前とはシンダ、元夫が再婚した妻です。 インド人のような名前だから...

ラモーナはもういない

~アバウト・レイ16歳の決断⑯〜

  ラモーナはもういない   ラモーナとはレイが女の子だった時の名前です。 母親マギーの方が気持ちの切り替えは早い。 「ラモーナはもういない。レイよ。私は一人で娘を失った。 これからは一人で息子を育てていく」 ナオミ・ワッツ、頑張りました。 自身、プロデューサーとして参加して...

あまりことが大きすぎる

~アバウト・レイ16歳の決断⑮〜

  あまりことが大きすぎる   この映画ではとてもナイーブな問題が日常次元の会話で進行します。 父親は娘から息子になりたいがっていると言われても、 頭の切り替えがなかなかできません。 元妻は承諾書にサインしろというが、(それってどうなの?)という感じ。 父親役のテイト・ドノヴァ...

病気とは違う

~アバウト・レイ16歳の決断⑭〜

  病気とは違う   父親は長年別居をしていて、レイの問題を母親ほど理解できていません。 トランスジェンダーと聞いても「治療したら治る」と いいます。 母親はきっぱり「そういう問題じゃないわ。病気とは違う。 私たち、何年もセラピーに通った。いろんな人たちに相談もした。 レイに...

男よ

~アバウト・レイ16歳の決断⑬〜

  男よ   ママは意を決しレイの手術の同意書にサインをもらうため、意を決して 元夫を訪ねました。 父親は戸惑う。娘はもういない、レイは「男よ」とママは断言する。 「いつから?」「5〜6年前から。はっきりものをいう子に成長したわ」 難しい問題を抱えていても母親はレイを愛している...

ママはよくドレスを着せた

~アバウト・レイ16歳の決断⑫〜

  ママはよくドレスを着せた   「僕が小さい頃、ママはよくドレスを着せた。 お姫様かシンデレラみたいに。でも僕が憧れたのはカウボーイや 宇宙飛行士やカーレーサー」 本当の自分とは違う自分に仕立てられていく焦燥があった。 ずいぶん悩んだに違いない。エル・ファニングが長身の細身で...

牛肉の代用よ!

~アバウト・レイ16歳の決断⑪〜

  牛肉の代用よ!   あざを作って帰ってきたレイに、マギーもドリーもフランシスも、 一家騒然。「冷やさなければ」「生肉がいいわ」「赤身の牛肉がない」 「牛肉の代用よ!」 フランシスが冷蔵庫から持ってきたのは丸ごとのチキン。 ガバッとレイの顔面に押し当てる。 トリの短い脚がつ...