セシル・ド・フランス

ジャニーヌは何時に戻るの?

〜「シスタースマイル」(10)〜

ジャニーヌは何時に戻るの?   アニーがパン屋に来た。 父親も母親も、フランソワーズも アニーがそそのかした張本人だとでも言うみたいに、 妍のある目で見る。 「ジャニーヌは? 留守? 何時に戻るの?」 「戻らないわ」 アニーは閉店まで店の外で待ちフランソワーズを...

何もないところに来たかった

〜「シスタースマイル」(9)〜

何もないところに来たかった   修道院に来たジャニーヌ。新入りの部屋に案内されます。 「最初は苦労するわ」と先輩シスターが言う。 飾り気の何もない、壁と床と天井と小さなベッドだけの部屋。 「こんなところに来たかった、何もないところへ」 孤独な部屋は、でもジャニーヌを落ち着か...

本能に従ったまで、だよ

〜「シスタースマイル」(7)〜

本能に従ったまで、だよ   思いあまったジャニーヌは教会に神父を訪ねる。 「どうした、ジャニーヌ。間違えてここへ? 大丈夫か」 間違えて、と訊くところが面白いですね。 ジャニーヌは珍しくどんより。 「どうすれば。自由になりたいけれど束縛されたい気もして」 ジャニーヌは...

「やめてよ」「許して」

〜「シスタースマイル」(6)〜

「やめてよ」「許して」   「母とはソリが合わない、ウンザリ、どこか行きたい」 ぼやくジャニーヌに 「行き場がないわ。入学費用なら貸すわ」 美術学校に進学してから将来を決めたらいいと しっかりアニーは現実を見ている。 アニーの母親が入ってきた。 不審を隠さず「何...

私の人生を踏みにじらないで

〜「シスタースマイル」(5)〜

私の人生を踏みにじらないで   強硬に反対する母親に 「私の人生を踏みにじらないで」とジャニーヌ。 母親はビンタを張る。どっちも強い。 その夜、ジャニーヌはこっそりベッドを抜け出す。 気づいたフランソワーズ 「アニーの家? いつも一緒なのね。私、彼女は嫌い!」 ...

美術学校に行くわ

〜「シスタースマイル」(4)〜

美術学校に行くわ   アニーの勧めでデッサンを始めたジャニーヌは 「美術学校に行く。アニーの通う学校の入試を受けるの」 「アフリカは?」母親は呆気にとられる。 「アニーに吹き込まれたのね」 「話を聞いてやれ」とパパ。 「結婚して家を継いでもらうわ」母親は折れそうにない...

いつか一緒にアフリカに行こう

〜「シスタースマイル」(3)〜

いつか一緒にアフリカに行こう   ジャニーヌには従妹のフランソワーズがいます。 両親を亡くし、叔母にあたるジャニーヌの母が引き取って 同居しています。実の姉妹のように仲がいい。 ジャニーヌは修道女たちの話に感銘を受け、 アフリカへ伝道に行く決心をしました。 「私は結婚...

日曜日の夕食に来ない?

〜「シスタースマイル」(2)〜

日曜日の夕食に来ない?   ジャニーヌの母はピエールがお気に入りです。 ジャニーヌと結婚させ、家業のパン屋を継いでほしい。 小さなパン屋ですがおいしいですパンを取り揃え 店は繁盛しています。 「ピエール、日曜日の夕食にこない?」 ピエールはジャニーヌが好きだから「喜ん...

ジャニーヌ、さっきはごめん

〜「シスタースマイル」(1)〜

ジャニーヌ、さっきはごめん   ガールスカウトの授業の一環に、 修道院のシスターたちの講義があります。 体育のサッカーを終えた生徒たちが神妙に聞き入っている。 アニーがジャニーヌを見つめている。 さっきサッカーの試合でぶつかって二人とも横倒しに倒れた。 濃密接触です。...