スーザン・サランドン

フリービーとビーン

〜「セルロイド・クローゼット」㉑〜

  フリービーとビーン   しかしゲイが表に出てきたために新たな脅威が発生した。 「フリービーとビーン」では女装した殺人鬼が登場して死のバレエを踊る。 フリービー(ジェームズ・カーン)とビーン(アラン・アーキン)は、 彼を撃ちまくるのだ。 殺人鬼というだけでなく、ゲイの死で観客...

相手がドヌーブだもの

〜「セルロイド・クローゼット」⑳〜

  相手がドヌーブだもの   スーザン・サランドンは「ハンガー」でカトリーヌ・ドヌーブとの ベッドシーンを大胆に演じました。 「私を誘惑してるの?」とスーザンが訊く。 「そんなつもりないわ」とピアノを弾きながらドヌーブが答える。 上記のセリフはインタビューに答えたスーザンの発言...

突っ走らない?

〜「セルロイド・クローゼット」⑲〜

  突っ走らない?   社会の変化として、 それまでためらいのあった同性愛の捉え方が、 強く、深くなってきたのがわかります。 ウーピー・ゴールドバーグは「カラーパープル」について 「私は女の子どうし愛し合うの。性的というよりもっと深いものよ」 「テルマ&ルイーズ」のラストシー...

マイ・ライバル

〜「セルロイド・クローゼット」⑱〜

  マイ・ライバル   フィールドではライバルになる女性関係を描いた「マイ・ライバル」は 「女性同士の裸には安心感がある」と受け止められた。 「無邪気さや少女の絆みたいなものはセクシーで心地よく、 エロティックでもある」とは作家のスージー・ブライト。 「女性は不安を感じないし、...

愚かだよ

〜「セルロイド・クローゼット」⑰〜

  愚かだよ   冷静な映画人もいた。 ジョン・シュレシンジャー監督は 「アメリカ人は同性愛を恐れている。様々な暴力シーンがあるのに、 性の問題となるとやけに独善的なのだ。 存在しないかのようにフタをする。愚かだよ」 彼は「日曜日は別れのとき」で男同士のキスが論議をかもした。...

メーキング・ラブ

〜「セルロイド・クローゼット」⑯〜

  メーキング・ラブ   性に悩む夫を持った若い妻の物語。 男優の配役が困難を極めた。 ゲイの役をやるとキャリアを台無しにするというのが一般的な考え方で、 誰もでたがらなかった。 主役を演じたハリー・ハムリンは 「昔のハリウッドはカウボーイの街だった。 ゲイを演じたら本当に...

私の体に欲望を感じない?

〜「セルロイド・クローゼット」⑮〜

  私の体に欲望を感じない?   同性愛を謳歌した初めての映画は「キャバレー」(1972)でした。 主役のライザ・ミネリが素晴らしい。 「私の体に欲望を感じない?」とボーイフレンドに聞く。 彼はゲイです。 「女と寝たことないの? ないのね? 女と寝ないの?」 無邪気に、普通に...

全員生き残るのが新鮮だった

〜「セルロイド・クローゼット」⑭〜

  全員生き残るのが新鮮だった   長い抑圧を超えて、ついにゲイを正面から見据えた作品が表れました。 「真夜中のパーティ」です。 「ゲイが全員、生き残るのが新鮮でした」 「ゲイ同士の素晴らしい仲間意識を初めて見た」 「今まで感じたことのない連体感だった」 「登場する9人全員が...

女が女と寝たら

〜「セルロイド・クローゼット」⑬〜

  女が女と寝たら   「ゲイが嫌い」差別はそれだけではありませんでした。 女と女の関係は、男と女の不倫よりもっと強い差別を受けた。 脚本家のアーサー・ローレンツは言います。 「男と女の密通なら嵐の中に放り出されるだけ。女が女と寝たら 首を吊ったも同然だ。ゲイに課せられる罰は死...

荒野を歩け

〜「セルロイド・クローゼット」⑫〜

  荒野を歩け   薄らいできたとはいえ、同性愛嫌悪の風潮は強く踏み込んだ表現は 難しかった。 「荒野を歩け」は主演のバーバラ・スタンウィックとキャプシーヌの間で 巧妙なやりとりが交わされます。 「彼があんたの過去を知ったら? 時話せばいい、すっかり。 どんな生活を送っていた...