スティーブ・カレル

「わかった。おやすみ」

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」⑩〜

  「わかった。おやすみ」   「私の気持ちがどうだろうと行動に出せない。 リスクが大きい。ツアーもある」 マリリンが引きとって「それに夫もいる」 「素晴らしい人だし、これを知ったら傷つく。両親が許さない」 (両親? 子供みたいなこと言ってる) でも逆らわず「わかった。おやす...

対決だ!

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」⑨〜

  対決だ!   高潮の最中に電話。ビリー・ジーン飛び上がる。 「ラリー(夫)だわ。グラディスかも。親だったらどうしよう」 あまりの慌てぶりにマリリンは意気喪失。電話の主はビリーだった。 「対決だ。ビリー・ジーンとボビー・リッグス。 男性至上主義のブタとモジャ脚のフェミニスト。...

ゆっくり進めればいい

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」⑧〜

  ゆっくり進めればいい   二人だけで向き合った。マリリンの大胆な視線に 「私は結婚しているわ」 「かまわない。私も一応彼氏がいる」 「女性も好きなの?」「ええ。あなたは?」 「わからない。相手は夫だけよ」 「ゆっくり進めればいい」 やさしくキスしたマリリンに、ところがし...

あんなに強いなんて

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」⑦〜

  あんなに強いなんて   ツアーで回ってきたサンディエゴ。 マリリンが応援に来た。 「あんなに強いなんて」ビリー・ジーンを賛嘆する。 その夜ダンスに行ったあとマリリンは 「帰るわ。ロス行きのバスが出ちゃう」 「もう遅いから私の部屋に来て。ベッドは二つあるわ」 ドアの前で「...

大きな目標のために団結している

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」⑥〜

  大きな目標のために団結している   ラジオ放送のゲストに招かれたビリー・ジーンとWTAのメンバー。 「みな自分たちでやる。コートに人工芝を敷くのも、チケットを売るのも。 宣伝もして練習する。古臭い金持ちのスポーツ(テニスのこと)を みなで楽しむものにする」 「コートに出たら...

恩知らずの女達にお知らせがある

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」⑤〜

  恩知らずの女達にお知らせがある   ジャック・クレイマー会長は報復手段に出た。 女子テニス協会(WTA)に加入した選手を全米テニス協会から締め出した。 締め出されたらグランドスラムでは戦えなくなる。 ウィンブルドンにも出場できない。 意気消沈した彼女らの前にグラディスが現れ...

見た目は気にしない?美人なのに

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」④〜

  見た目は気にしない?美人なのに   女子テニス協会(WTA)記者発表の日。 記念写真を撮られる9人のメンバーはおしゃれに余念がない。 「ビリー・ジーン、どうしたいの?」 美容師が鏡を見て微笑んでいる。「髪型をどうする?」 「前髪が目にかからなければ」とあっさりした返事。 ...

デスクのホチキスみたいに?

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」③〜

  デスクのホチキスみたいに?   ビリー・ジーンの挑戦をひっそりと見ている男がいました。 ボビー・リッグスです。テニスの殿堂入りしたかつてのチャンピオン。 妻の父が経営する会社の重役ですが、社長の娘婿という立場だけで、 満足に腕をふるう仕事はない。 妻プリシラは、夫に劣等感を...

女子トーナメントを立ち上げる

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」➁〜

  女子トーナメントを立ち上げる   ビリー・ジーンは1972年、全米勝者。賞金10万ドルを確保した 女子テニスの看板選手です。 その彼女が女子選手全員の報酬アップを求め 「女子トーナメントを立ち上げる」と宣言した。 ビリー・ジーンは(グラディスも)女子選手の力量を 認めても...

血祭りにあげる前に確認したい

〜「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」①〜

  血祭りにあげる前に確認したい   男子テニスの賞金は1万2000ドル、女子は1500ドル。 この格差がけしからん、とビリー・ジーン・キングと 彼女のマネージャー、グラディスが、全米テニス協会会長の ジャック・クレーマーにねじ込みました。 「決めたことだ」と相手にしないジャッ...