ジュディ・デンチ

だれも得しない

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑩〜

だれも得しない 教頭に報告するのは「年が明けてからに。せめてクリスマスは家族と過ごしたい」とシーバはバーバラに頼みます。バーバラはシーバを見つめ、「報告はしないわ」シーバの表情がパッと明るくなる。そんなことをしても「だれも得しない。あなたも、彼も、学校も」ン、まあ。なんて大人の見解…と、シーバは感極まって顔を...

私はすべてを手に入れる

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑨〜

私はすべてを手に入れる シーバの秘密を握ったことでバーバラはほくそ笑みます。「私はすべてを手に入れる、何もせずに。密かに彼女を支配する。永遠の借りをつくってやるのだ」バーバラも怖いけど、シーバもシーバなのよ。少年との関係を清算しなさいというバーバラの忠告を無視、呼び出しに応じ、密会を続けます。シーバにしたら今...

心の声が叫び続けていた

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑧〜

心の声が叫び続けていた 「私は真面目に生きてきたわ。貞淑な妻、よき母。ベン(息子)の保護者。心の声が叫び続けていた。なぜ快楽を求めてはいけないの?その権利があるのに」う〜ん、こういうことは理屈を言い出すとややこしくなるばかりだな。日本人なら會津藩の教えでケリつけるだろうね。「ならぬことはならぬものです」&nb...

忘れていた甘いささやき

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑦〜

忘れていた甘いささやき バーバラの怒りと弾劾は、教師としてあるまじき行為、という道徳的なものではなく「シーバに裏切られた」と思ったからです。自分を信じて腹蔵なく、誰にも言えない寂しさを打ち明けてくれたと思っていたのに、なんですって、少年と情事だ?ン、まあ。それって私とやることじゃない!そんなところでしょう。シ...

罪を犯したことは承知のはず

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑥〜

罪を犯したことは承知のはず シーバの情事がバレました。クリスマス、職員たちのパーティで、なかなか席に来ないシーバを迎えに、バーバラが美術教室までくると、なんと、シーバが大胆にも机の上で…相手はバーバラも顔見知りの少年。でも15歳じゃまずい。刑務所行きです。「とぼけないで。罪を犯したことは承知のはず」バーバラは...

シーバは無謀なまでに屈託がなかった

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑤〜

シーバは無謀なまでに屈託がなかった ここの字幕は she was utterly candid ですからシーバの訴えは、聞き手のバーバラが呆れるくらい率直だった…ということになります。シーバの信頼を得た証拠として、バーバラはすっかり上機嫌、帰宅して日記帳に金星を貼り付けます。いいことがあると日記帳に金星がつく...

私は最悪よ、隠しようもない

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」④〜

私は最悪よ、隠しようもない シーバの家庭はバーバラの予想と大違いでした。「夫は弁護士で子供たちはマトモかと。でも違った。夫はうんと年上。娘はわがまま放題、生意気なお姫さま、息子は世話のやける道化師。食後は一家でゾッとするダンス」でもシーバは自宅の隠れ家と称するアトリエにバーバラを招き入れ、悩みを打ち明けます。...

日曜日にランチでもどう?

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」③〜

日曜日にランチでもどう? 男子生徒たちの教室での大騒ぎを一喝して取り鎮めたバーバラに、シーバは感激、日曜日のランチに招きます。バーバラの喜びようはいじらしいくらい。「なんて幸せ。空白のカレンダーに予定の旗が立った」美容院に行き、髪を染め直し、新しい服を買い、花束を携えシーバの家のドアをノック。シーバの父親のよ...

いったい、どういう女だろう

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」②〜

いったい、どういう女だろう バーバラの外観はさえない。染めた白髪の生え際がまだらに、服装もドブねずみ。シーバを見てこう思う。「いったいどういう女だろう」穴から獲物を伺う夜行性動物のように、バーバラの眼は鋭い。「ボロみたいなコートは最悪だ。でもあれは、私もあなたたちと一緒よ、というカモフラージュだ。本質は違う。...

あなたよ、私の分身の日記

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」①〜

あなたよ、私の分身の日記 ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットが真っ向勝負。見応えありましたね。ふたりの女性の執着がぶつかりあう狂気と愛の物語です。バーバラ(ジュディ・デンチ)はベテランの中学教師。教師としての スキルは充分、信頼できる相談相手として、誰もがバーバラに秘密を 打ち明けるが、バーバラには誰も...