キャシー・ナジミー

私はスターなの

〜「天使にラブ・ソングを2」㉛〜

  私はスターなの   ドロレスを囲んで祝勝する。 「ベガスのショーガールだって?」 ドロレスの前身がまたもや話題になった。 「ショーガールだったことは一度もないわ」 落ち着き払ってこう言った。 「私はスターなの」 ウーピー・ゴールドバーグはエミー賞も、グラミー賞も、トニー...

聖フランシス高校、最優秀賞

〜「天使にラブ・ソングを2」㉙〜

  聖フランシス高校、最優秀賞   コンテストは終わった。 入賞校の発表だ。 固唾を呑む場内。 発表は3位から。聖フランシス高校ではない。2位もアウト。 1位もペケ。やっぱり俺たちダメだった… 「最後に」司会者が声を張り上げた。 「聖フランシス高校、最優秀賞!」 満場は興...

なんて腰抜けなの!

〜「天使にラブ・ソングを2」㉘〜

  なんて腰抜けなの!   出場校のレベルは高い。 前年優勝校の圧倒的なスキルに聖フランシス高校は顔色なし。 「勝てないよ」「しかも同じ曲(歓喜の歌)」 「帰ろう」 どっこい、ドロレスが立ちふさがる。 「あなたたち、尻尾を巻くの? あなたたちがよくわかった。何て腰抜けなの。...

ギャングの情婦だったのか

〜「天使にラブ・ソングを2」㉗〜

  ギャングの情婦だったのか   教師の1人が図書館で古い新聞を見ました。 ドロレスの顔写真がデカデカと出ています。 「クラブ歌手?」「大物ギャングの情婦!」 「犯罪者だったのか」 「公になる前に我々の手で処理しよう」 一方リタは保護者の承諾書に母親のサインを偽造し、参加を決...

世界中に挑戦するわ

〜「天使にラブ・ソングを2」㉖〜

  世界中に挑戦するわ   ドロレスたちは費用の算出に忙しい。 「会費、ホテル代、衣装代、ガソリン代で2000ドルよ」 「大金だわ」「地元の人たちに頼るしかない」 そこへリタが「聖歌隊やめます」と言ってきた。 ドロレスは母親と掛け合うが許可してもらえない。 一方に希望、一方に...

才能なんて成功とは無縁のものよ

〜「天使にラブ・ソングを2」㉕〜

  才能なんて成功とは無縁のものよ   リタの母親は聖歌隊で歌いたいという娘の希望をへし折ります。 「才能なんて成功とは無縁よ。 才能ある人は路上にいくらでもいるわ。歌より勉強よ。 聖歌隊はなし、よ」ガンとして許しません。 「素晴らしい聖歌隊よ」 「歌ではご飯は食べられない。...

だめだ、許可しない

〜「天使にラブ・ソングを2」㉔〜

  だめだ、許可しない   校長はガンとして応じません。 「だめだ、許可しない。課外活動は禁止だ」 「生徒は練習しています」 「学校が閉鎖されたら終わりだ」 「出場を!」 熱誠に校長はほだされ 「みんなが賛成では仕方ない」しぶしぶ折れた。 「必ず優勝します!」 意気天を...

ハリウッドに行けるぞ!

〜「天使にラブ・ソングを2」㉓〜

  ハリウッドに行けるぞ!   「出場を申し込んだわ」シスターが言った。 「6週間後にハリウッドよ」 「無理だよ」 「ガタガタ騒ぐな。ハリウッドに行けるぞ」 「ここまでこれたのはシスターたちのおかげだ」 「これはチャンスだぞ」 「優勝したら閉鎖されずにすむかも」 生徒たち...

新しい聖歌隊の誕生ね

〜「天使にラブ・ソングを2」㉒〜

  新しい聖歌隊の誕生ね   練習が始まった。 「いいわよ、エネルギッシュに!」ドロレスの激励が飛ぶ。 生徒も先生もみんなやる気を出した。 いい練習場がある。古い教会を音楽教室を改造する。 まず掃除だ。床はピカピカ、壁もポップに塗り替えた。 ガラス拭きにも熱がこもる。 「新...