イメルダ・スタウントン

俺が手本を見せてやろう

~パレードへようこそ⑪〜

  俺が手本を見せてやろう   ジョナサンが踊っている村の女性たちの輪に近づいて 「ここの男たちは踊らないのかい」 「お尻を動かせないのよ」「プッ。俺が手本を見せてやろう」 ここから数分、ジョナサンのダンスが圧巻。 女性たちは「見て、彼って最高!」 テーブルに上がってステップ...

何やってるの!ゲイと話しなさい

~パレードへようこそ⑩〜

  何やってるの!ゲイと話しなさい   それでも会場のあちこちでお互いに興味を持つ会話があった。 「レスビアンは菜食主義なの?」「私とゾイはビーガンよ」 こっちでは「二人が夫婦なのはわかるけど、僕が知りたいのは…」 「あのこと?」「家事はどっちがやるの?」 そっぽを向いているグ...

俺たちはロンドンでも殴られ

~パレードへようこそ⑨〜

  俺たちはロンドンでも殴られ   歓迎会は惨憺たるものでした。 マークの挨拶に村人は冷たい視線。 「僕らは皆さんの力になりたかった」というマークに 一人席を立ち、二人立ち、会場は閑散。 控え室に引き上げたメンバーはため息をつく。 「俺らはロンドンでも殴られ、ウェールズでも殴...

なぜ招待まで?

~パレードへようこそ⑧〜

  なぜ招待まで?   LGSMの募金額は最高の金額でした。 炭鉱に戻ったダイは彼らを招待したいと言います。 反応は「なぜ招待まで? 礼状で充分よ」 「問題は村の男よ。ゲイが村に来たら絶対に揉め事が起こるわ」 賛否両論の中委員長のヘフィーナが招待を決めました。 ヘフィーナを演...

皆さんがくれたのはお金ではない

~パレードへようこそ⑦〜

  皆さんがくれたのはお金ではない   ダイ「僕はストのおかげで初体験をたくさんしました。 人前で話すこと、座り込みをすること、今はゲイバーにいます。 実は気にいっています。 僕が言いたいのは感謝です。バケツに募金してくれた人に、 LGSMを支援してくれてありがとう。みなさんが...

LはロンドンのLだと思ったよ

~パレードへようこそ⑥〜

  LはロンドンのLだと思ったよ   ウェールズからやってきたのは「ディライス炭鉱のダイだ」 「マークだね」「マイクだ」「ステフよ」「ジョーだ」「ジェフさ」 LGSMのメンバーが歓迎した。 ダイは「LはロンドンのLだと思ったよ。正直言ってびっくりした。 ゲイに会ったのは初めてで...

ゲイの金はいらないのさ

~パレードへようこそ⑤〜

  ゲイの金はいらないのさ   募金活動で集まった現金を寄付したい、支援したいと メンバーは各地の炭鉱組合に電話した。普通なら嬉しい話と思うだろう、 ところが「同性愛者の会」と名乗ったとたん、電話は一方的に切られる。 「ゲイの金はいらないのさ」 「ゲイだからってこそこそする必要...

参加する者は?

~パレードへようこそ③〜

  参加する者は?   「参加する者は手を上げてくれ」 マークの呼びかけに、上がった手はちらほらだった。 ほとんどは首を振りながら出て行った。 残ったのはゲイ関係の本を扱う書店の店主ゲシン、彼の恋人ジョナサン、 マークと彼の右腕マイク、紅一点レスビアンのステラ、 まごまごして...

炭鉱支援の募金活動をしよう

~パレードへようこそ②〜

  炭鉱支援の募金活動をしよう   マークはアイルランドの社会活動家。ロンドンにいるゲイの青年だ。 「炭鉱支援の募金活動をしよう」と仲間に呼びかける。 「俺たちはゲイだぜ。炭鉱と何の関係がある」 「連帯さ。彼らは僕らと同じイジメにあっている。警官とタブロイド紙と 政府にいじめら...