アラン・カミング

普通と違うから親失格なのか!

〜「チョコレートドーナツ」(31)〜

  普通と違うから親失格なのか!   「マルコの好きなオモチャは?」「人形です」 「少女の人形ですね」 「真実を捻じ曲げるのは勝手だが マルコから家族を奪ってはいいわけがない」 「どうやら問題は愛に飢えた子供ではなく、 愛に飢えたふたりの男性のようだ。子供...

親として何をしましたか?

〜「チョコレートドーナツ」(30)〜

  親として何をしましたか?   ルディとポールは訊かれた。 「親として何をしましたか」 「実の子のように育てました。毎朝起こして朝食を食べさせ、 学校に送り、一緒に遊び、お話を聞かせて寝かせつけました」 「子供を手元に置こうと勝手に決めたのですね」 「母...

私たち人間は性的な生き物です

〜「チョコレートドーナツ」(29)〜

  私たち人間は性的な生き物です   フラミンゴ先生が審問に応じた。 「イトコ同士だと思いましたか」 「いいえ」 「ふたりがゲイのカップルではと誰かに話したことは?」 「ありません。私たち人間は性的な生き物です。児童の両親が どう性を謳歌しようと興味はあり...

変なことをされたことは?

〜「チョコレートドーナツ」(28)〜

  変なことをされたことは?   審理の席での弁護士の質問は興味半分、嫌がらせ半分です。 ルディに「いつからこのような関係に?」 「どこからを関係と呼ぶのですか。一目惚れだったけど」 ルディだから余裕がありますが、マルコへの質問では 完全にふたりはヘンタイ扱いで...

マルコを我々の保護下に

〜「チョコレートドーナツ」(26)〜

  マルコを我々の保護下に   ポールとルディは裁判に訴えた。 「マルコを我々の保護下にお戻しください」 「却下します。本来なら法廷を偽った罪で偽証罪に問うところです」 偽証罪とはイトコとしてマルコを引き取ったことです。 ルディは激昂する。 「これが正義な...

オレはクビになった!

〜「チョコレートドーナツ」(25)〜

  オレはクビになった!   パーティーでの様子で、ふたりの関係が上司にわかった。 「オレはクビになった!」 「よかった。偽りの人生を捨て、本当の自分になるチャンスよ」 「10年間、弁護士になるために必死で勉強した。 くだらない理想論はたくさんだ」 「世界...

まだイトコと言い張る?

〜「チョコレートドーナツ」(23)〜

  まだイトコと言い張る?   ポールは上司から大きな事件の担当弁護士に抜擢されます。 期待する上司は自宅でのパーティーにポールを招きました。 「イトコとその息子にも来てくれ。妻が会いたいと言っている」 ポールとルディはマルクを連れて招待に応じました。 「パフォ...

2人のパパの絵です

〜「チョコレートドーナツ」(22)〜

  2人のパパの絵です   特別学級の先生、ミス・フレミングがルディとポールに絵を見せた。 「マルコの描いた“2人のパパ”の絵です。 私はおふたりの関係に興味はありません。 私にはどうでもいいことですが、世間は違う。 教師でも親御さんでも、たったひとりでも誤った...