あるスキャンダルの覚え書き

来年、定年だな

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑳〜

来年、定年だな 「ふたりのことを知りながら黙認していたなら君は共犯と同じだ」「何も知りません」「来年、定年だな、バーバラ。1年早く辞めてくれるとみな、助かるのだがね。新しい教育方法が合わず、ストレスで」「大人同士の友情は法に触れません」しかし校長は以外な名前を出します。またあした。 (「あるスキャン...

セント・ジョージ校の問題ですが

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑲〜

セント・ジョージ校の問題ですが 事件はテレビの取り上げるところとなった。「セント・ジョージ校の問題ですが、別の教師ふたりもこの件を知っていたと思われますが、学校側は否定しています」バーバラは校長室に呼び出される。「申し上げた通り、私は何も知りません」バーバラは頑として拒否するが、校長はホコを収めない。ベテラン...

私との結婚を壊したいなら-

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑱〜

私との結婚を壊したいなら- 夫がシーバにいう。「私との結婚を壊したいなら、大人と浮気しろ。それならわかる。相手は15歳だぞ。正気か!」「あなたも教師だったわ」「君は20歳だった」「彼が欲しかったの」「なぜだ!」「わからないわ!」人間、わかっていることだけやるとは限らないわね…。 (「あるスキャンダル...

変態女に聞くがいい、クソアマ!

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑰〜

変態女に聞くがいい、クソアマ! バーバラがシーバの家の夕食に呼ばれているとき、少年の母親が血相変えて怒鳴り込んできました。「この女、相手は子供だよ、何てことをするの!」シーバの胸グラをつかみ殴りつける。シーバは手向かわない。子供たちはオロオロ、夫が事情を聞こうとすると「変態女に聞くがいい!」そしてシーバに向き...

シーバに孤独の何がわかる

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑯〜

シーバに孤独の何がわかる 「キリストを裏切ったユダは後悔して首を吊った、そう記したのは使徒の中で最も感傷的なマタイだけ」とバーバラはうそぶく。つまり、彼女にとっては裏切りなど屁でもないってことね。でもこのあと続く彼女の呪詛は、バーバラの孤独の深さを絶望的なまでに示します。「シーバみたいな人間に孤独の何がわかる...

彼女が好むのは若い男のようよ

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑮〜

彼女が好むのは若い男のようよ バーバラの同僚教師が折り入って相談に来ます。シーバが自分のことをどう思っているだろうか、知りたいと。バーバラは「よくは知らないけど、彼女が好むのは若い男のようよ」さらにさりげなく、「驚くほど若い男。少年らしいわ。シーバは私にはそんな話、しないけど。ある少年のとんでもない噂を聞いた...

みんな最後は手のひらを返す

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑭〜

みんな最後は手のひらを返す 長年同居したバーバラの猫の埋葬に、シーバに一緒にいってくれとバーバラが頼む。シーバは息子の学芸会を、家族で見に行ってやらねばならない。バーバラの懇願にシーバは弱り果てる。旦那が「妻を解放しろ! 厄病神」シーバはきつい口調で夫を怒鳴りつけ、「すぐ処理するから」「処理? 廃棄物じゃない...

「私の思い違い?」「いいえ」

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑬〜

「私の思い違い?」「いいえ」 バーバラとシーバは急速に近づきます。「人はみな、相容れない相手と何年も無駄に過ごす。理想の伴侶を見つけたと信じたいから。真実の相手を見極めるのは勇気がいるの。人は己の限界を知る。人生をひとりぼっちで終えるのが怖い」「誰でもそうよ」とシーバ。二人は小高い丘の上のベンチに並んで座って...

彼女が頼れるのは私しかいない

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑫〜

彼女が頼れるのは私しかいない 情事が明るみに出た。少年はなんといったか。「遊びがマジになったらヤバすぎる。先生は学校のこと、子供のこと、夫のこと、自分のこと、いろんなトラブルを抱えているだろうけど、僕は力になれない」とケロリ。思春期の少年は残酷よ、セックスが満足したらあなたを捨てると、バーバラがいった通りにな...

シーバは内向的です

〜狂気の沙汰も愛次第「あるスキャンダルの覚え書き」⑪〜

シーバは内向的です しかしながら、シーバがここまで自分に自信が持てないのは、自分には能力がない、と思い込んでいるからなのね。あるとき、母親がこう言っているのを聞いた。「シーバは内向的です。美しいからなんとかやってきたけど、実力や才能を伴っていないのです」子を知るは親に如くはなし。評価としては間違いなかったのだ...