ゲイ映画のキメ台詞

無礼な態度を謝って

〜3人のエンジェル⑫〜

無礼な態度を謝って   3人のドラグクィーンを侮蔑的な目で見ていた村の青年たちがいました。 「ガラの悪いチンピラね」 ノグジーマがつかつかと近づく。 「無礼な態度を謝って」 ふん、と鼻で笑う男にノグジーマは自慢の爪で急所をむんず。 呻く青年を「おいで」 遠巻きにしているレディたちの前に...

イチゴ祭りの飾りの相談よ

〜3人のエンジェル⑪〜

イチゴ祭りの飾りの相談よ   女たちがテーブルを囲んで賑やかにおしゃべり。 「年に一度のお祭りが明日なの。イチゴ祭りよ。 イチゴのパイを焼いて広場に運ぶのよ。みんなで食べておしまい」 それだけのお祭りでも村じゅうは楽しみにしています。 「髪も服もおしゃれして」「私は美容院、やってるの」 ...

話しかけても反応なし

〜3人のエンジェル⑩〜

話しかけても反応なし   宿を提供してくれたキャロル・アンが住民を紹介した。 「ロレッタ。酔っ払いのはすっぱ女よ。酒瓶を咥えて生まれてきたの。 洋服店をやってるわ。気の小さい息子があとを継いだ。 クレア。話しかけても反応なし。亭主が映画館の経営に失敗して 配給会社の女と駆け落ちしたの。それ...

むさ苦しいカッペばかりよ

〜3人のエンジェル⑨〜

むさ苦しいカッペばかりよ   みんな田舎者だ。「むさ苦しいカッペばかりよ」とバカにするチチに 「住民とお近づきにならなければ」 良識派のヴィーダが折り目正しく挨拶する。 「マンハッタンから来たヴィーダよ。 部品が届く月曜日まで村に滞在するわ」 「観光できるところはないかしら」 「観光?...

私は中南米のモンローよ

〜3人のエンジェル⑧〜

私は中南米のモンローよ   口の減らないチチが 「私は中南米のモンローよ。脚線美が自慢なの」 夜道に出て脚を見せるが何台か車は通りすぎる。 やっと止まったトラックに事情を話し、近くの町まで乗せてほしいと。 若い運転手はスナイダービルへ行くという。 「そこまでお願い」 スナイダービルとは...

ちん道中はまっぴらよ

〜3人のエンジェル⑦〜

ちん道中はまっぴらよ   パトカーの警官に車を停められた。 まずい。ヴィーダの免許証は男子名なのだ。 免許証を出し渋っているヴィーダに車をおりろと警官は命令、 もてあそぼうとする。ヴィーダが突き飛ばすと打ち所が悪かったのか、 警官は動かなくなる。 「ご臨終みたい」「警官殺しは重罪よ」 ...
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2.苦難はぶっ飛ばせ

〜3人のエンジェル⑥〜

2.苦難はぶっ飛ばせ   ためらいを見せるヴィーダとノグジーマに 「情けないわね。腰抜けは二流よ。 車の中でゴジラ顔のノグジーマと寝るのは嫌よ」 チチはつかつかとフロントに行く。 快く「お待ちしておりました」 ママさんバスケチームの試合が翌日当地であり、 3人はチアリーダーと間違われた...

1、心がまえ

〜3人のエンジェル⑤〜

1、心がまえ   チチは叫ぶ。 「身も心も徹底的に磨き上げるわ。筋金入りのドラグクィーンになるわ!」 運転席のヴィーダとノグジーマが「第一関門は合格ね」 第一関門は「心がまえ」でした。 夜になってやっとモーテルを見つけた。 フラフラで、クタクタで、ペコペコだ。 でもヴィーダは懸念します...

ドレスを着た、ただのガキ

〜3人のエンジェル④〜

ドレスを着た、ただのガキ   ノグジーマがチチに薀蓄をたれます。 「男が好きで女装するのは女装趣味。女性への願望が高じて 手術するのがトランス。ファッションにこだわり 派手に振る舞うのがドラグクィーン。人生を楽しむ女装坊やは ドレスを着た、ただのガキ」 チチは腹を立てますがノグジーマは冷...

私の生まれ故郷よ

〜3人のエンジェル③〜

私の生まれ故郷よ   バラ・キンウィドという町に来ました。郊外の高級住宅地です。 「豪邸ばっかりよ」とチチ。 「生まれ故郷よ」とヴィーダ。 彼はセレブの息子に生まれた。充分な教育も受けたに違いない。 「生誕の地ね。案内板に出ているかも」ノグジーマが冷やかす。 家から年配の女性がドアを開け...