ゲイ映画のキメ台詞

そっと風呂敷を開く

〜小さいおうち⑥〜

  そっと風呂敷を開く   タキのナレーション。 「大晦日の夜、旦那様と奥様にごあいさつをしたら、私は女中部屋に戻り そっと風呂敷を開く。奥様から頂いた銘仙が入っている」 タキは2畳ほどの部屋で数枚の着物を手に取る。 うれしいのでしょうね。時子のやさしさや気配りに触れるようで。...

恋愛なんかしなかったの

〜小さいおうち⑤〜

  恋愛なんかしなかったの   現代のタキ(倍賞千恵子)が大学ノートに半生記を書いている。 大甥の健史が「おばあちゃん、恋愛のことも書けよ」と促すと 「戦争中だったし、恋愛なんかしなかったの」 タキは短く否定する。 「なんか」が、強すぎる感じがします。 山田監督は場面をあっさ...

ほら、私の手冷たいでしょう

〜小さいおうち④〜

  ほら、私の手冷たいでしょう   時子は無造作にタキの手をつかみ 「ほら、私の手、冷たいでしょう。坊やが嫌がるはずね。 タキちゃんの手、あったかいものね」 タキは時子のするままにさせています。何も言わないときに タキの感情は雄弁です。   (「小さいおうち」 )...

私の足もマッサージして

〜小さいおうち③〜

  私の足もマッサージして   恭一があまり気持ち良さそうなので 「私の足もマッサージして」と時子が頼みます。 タキは膝に時子の足を乗せ、足首から揉みほぐしていく。 「ああ、気持ちいい」時子は声をあげる。 浴衣の裾をめくり、ふくらはぎを揉む。 時子は無邪気にうっとりしています...

奥様、それはわたしの仕事です

〜小さいおうち②〜

  奥様、それはわたしの仕事です   小児麻痺と診断された幼い息子・恭一の足を回復させるために マッサージに通わねばならない。それも毎日。遠い日本橋まで。 「大変だぞ」と懸念する夫に 「恭一のためなら、頑張ります」と時子。 そのときタキが「奥様、それはわたしの仕事です」 自分...

タキちゃんと呼ぶわね

〜小さいおうち①〜

  タキちゃんと呼ぶわね   昭和10年の春、18歳のタキは山形の田舎から東京へ奉公に出て、 平井家に来ます。東京郊外にあり、建てられたばかりの、 赤い瓦の三角屋根のあるモダンな、小さい家。 タキが仕えることになる時子は「あなたをタキちゃんと呼ぶわね」と やさしく迎えます。 ...

上海行き2枚

〜お嬢さん㉛〜

  上海行き2枚   日本で落ち合った秀子と珠子はウラジオストック行きの切符を 上海行きに変え船室へ。パスポートの偽造は、 偽物造りの名人だった珠子にとってはお手の物です。 秀子は仮装行列の男装みたいな、黒のスーツにつけひげで絶望から脱出。 二人は歓びあって愛を交わす。これがま...

お前の煙は冷たくて青い

〜お嬢さん㉚〜

  お前の煙は冷たくて青い   上月はうっすら筋を引いてたなびく煙に 「お前の煙は冷たくて青い、美しいようだ」とうっとりする。 「お前も耄碌して鈍くなったな」哀れむように藤原は目をやり 恐ろしい結末を告げます。 「水銀は気化する時いちばん毒性が強い。1本で充分だったろう」 何...

どこに妻との初夜を話す奴がいる

〜お嬢さん㉙〜

  どこに妻との初夜を話す奴がいる   しかし藤原も、まさか「実は何もなかったのだ」では面子が立たない。 「どこに妻との初夜を話す奴がいる!」怒りとヤケクソを一緒にして 上月に怒鳴ります。上月は藤原にタバコを吸わせる。 藤原はうまそうに煙を吐き、うっすら地下室に立ち込めていきます...

タバコを吸わせてくれ

〜お嬢さん㉘〜

  タバコを吸わせてくれ   藤原は「タバコを吸わせてくれれば思い出すかもしれない」と言います。 時間稼ぎかもしれません。上月はでもその手に乗らない。 「どうだった、どうだった、胸は、尻は?」と食い下がる。 どこまでこの男破廉恥なのだろうと、藤原は切れてしまいます。  ...