Diversity Studies

偽物に心を奪われるなんて

〜お嬢さん⑧〜

偽物に心を奪われるなんて   詐欺師の伯爵にたぶらかされているお嬢様。 「なんて哀れなの。偽物に心を奪われるなんて」 珠子は内心、悲憤慷慨しています。もともと自分も仲間ですけど。 お嬢様は珠子に 「母は私を産んで死んだの。私が殺したようなものだわ。私なんか 生まれなければよかった」と悲し...

ボタンを外し、紐をほどく

〜お嬢さん⑦〜

ボタンを外し、紐をほどく   身体中締め付けているお嬢様の下着は、何本も紐があって、一人では ほどけない。珠子が胸のボタンを外し、背中の紐をほどいてあげます。 「私が今もスリなら、手を入れて触ったはず」などと妄想する。 何に触るつもり?   (「お嬢さん」 )   ...

映画『ゴッズ・オウン・カントリー』劇場公開!

最後のチャンス! 映画『ゴッズ・オウン・カントリー』劇場公開!    ベルリン国際映画祭やサンダンス映画祭をはじめ、世界中の映画祭で絶賛された2017年のベストゲイ映画『ゴッズ・オウン・カントリー』。今年7月に開催された第27回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜では待望のジャパンプレ...

可哀想で見てられない

〜お嬢さん⑥〜

可哀想で見てられない   お嬢様を施設に入れればこっちのもの、と珠子は割り切ろうとします。 が、何も知らず自分を信じ切っている秀子が、可哀想で見ておれなくなる。 それに何と言っても美人です。 「今まで私が手をかけた中で最高にきれいだ」。 おまけにお嬢様は「お前の顔を寝る前に思い出す」なんて...

お嬢様は私の赤ちゃんです

〜お嬢さん⑤〜

お嬢様は私の赤ちゃんです   秀子が風呂に入ります。尖った歯が頬の裏に当たって痛いと訴えます。 珠子は口の中を覗き、丁寧に歯を削ってやります。 湯船には赤いサラファンの花びらが浮かび、珠子は上気する。 秀子は口を開けたまま、という無防備な状態を珠子に委ねている。 珠子の指が秀子の唇の上で動...
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そこから入っちゃダメ!

〜お嬢さん④〜

そこから入っちゃダメ!   時刻になったので珠子が書庫に行くと、広いの、なんのって。 はるか向こうにポツンと上月と秀子が本を前に座っているのが見える。 周囲は書棚で、古い装丁の本がぎっしり、整然と収まっている。 これが実は春画の稀覯本なのだ。上月はエロ本の収集家で、 毎月定期的に「朗読会」...

悪口も盗みも許すけど…

〜お嬢さん③〜

悪口も盗みも許すけど…   秀子は「悪口も盗みも許すけど、ウソだけはつかないで」と命じる。 新入りの珠子は早速イジメにあい、靴の片方を盗まれた。 お嬢様は衣装室に連れて行き、クローゼットの上から下まで並んでいる 靴を見せ、「私は5歳で朝鮮に連れてこられてずっと家にいる」 どことなく寂しそう...

たまげた!

〜お嬢さん②〜

たまげた!   初めて秀子お嬢様を見た珠子は「たまげた!」 きれいだってこと、先に言ってよ。驚いたじゃない。 無理もない、ドブ板踏んで生きてきた環境で、 「お嬢様」なんて見たことなかったものね。 お嬢様は「朗読で疲れているから、あなたの紹介状、読んで」と頼む。 珠子は字が読めない。紹介状...

「SOU!ルーム〜衛澤さんのちょっとええやん」VOL.32

■いまからでも遅くはない  心を入れ替えることが多すぎて生まれたときに持っていた心をすっかり失くしてしまった気がしている衛澤です御機嫌よう。    ここ数年、持病のために寝たり起きたりの生活が続いて、身体能力が衰えていくのが自分でよく分かって不安な日々を過ごしておりました。それに加えて、日常生活の運動量...

鳥よ、鳥よ、青い鳥よ

〜お嬢さん①〜

鳥よ、鳥よ、青い鳥よ   「私、珠子は本名、ナム・スッキ。闇の商売男・女に育てられ、 5歳で本物と偽物の金が区別できた」特技は偽のハンコ作りとスリ。 詐欺師の藤原伯爵の狙いはセレブの令嬢、秀子が受け継ぐ財産だ。 秀子は上月という奇妙な叔父の豪邸に5歳から監禁同様にして育てられた。 藤原は秀...