Diversity Studies

ジョーン・クラークよ

イミテーション・ゲーム/ エニグマと天才数学者の秘密⑦〜

  ジョーン・クラークよ   人手が足りない。チューリングはチームに増員を申請する。 新規採用に応募者が集まった。 教師、技術者、学生、クロスワード・パズルが得意、 一定の枠に閉じこめず、ユニークな人材をチューリングは求めた。 その中にジョーン・クラークがいました。 キーラ・...

君が異質だからだ

イミテーション・ゲーム/ エニグマと天才数学者の秘密⑥〜

  君が異質だからだ   頭がいいからいじめられる、と嘆くチューリングに クリストファーは言います。「君が異質だからだ」 頭がいいから、と自分で言うチューリングの自意識も相当ですが 「異質だからだ」といったクリストファーは 反社会性、反順応性も含め、世間と円滑にやっていけない ...

クリストファー

イミテーション・ゲーム/ エニグマと天才数学者の秘密⑤〜

  クリストファー   1928年シャーボーン・スクール。 男子寄宿学校にチューリングはいます。 本作の基本軸は2本。天才数学者としてエニグマに挑むチューリングと 同性愛者として阻害され、化学的去勢を受ける悲劇のマイノリティ。 シャーボーン・スクールでチューリングはイジメにあい...

チャーチルがアランを責任者に?

イミテーション・ゲーム/ エニグマと天才数学者の秘密④〜

  チャーチルがアランを責任者に?   ここは大学ではない、指揮系統に従えという上官に アランは彼の上司であるウィンストン・チャーチルに直訴する。 チームの責任者になったチューリングは 「キースとチャールズはクビだ。言語学にも暗号解読にも能力がない」 「まったくなんて冷酷なやつ...

159のあと0が18個続く

イミテーション・ゲーム/ エニグマと天才数学者の秘密③〜

  159のあと0が18個続く   ドイツ軍は毎日深夜0時に設定を変える。 最初の通信を傍受するのは朝6時。18時間後の0時に再び振り出しに戻る。 設定の可能性は159のあと0が18個続く。 解読チームのリーダー、ヒューが言うには 「1日24時間、週7日、休みなく続けたら全部を...

死神の歪んだ手

イミテーション・ゲーム/ エニグマと天才数学者の秘密②〜

  死神の歪んだ手   ブレッチリーでのミッションはエニグマ暗号機の解読。 連合軍がエニグマの解読に成功すれば戦争の終結が早まる。 エニグマ暗号機は細いキーが何本も突き出た、黒い鉄の塊。 すべての奇襲作戦の詳細、極秘の輸送船団、Uボートの情報がエニグマに 入り、暗号化されて出て...

「エニグマ」

イミテーション・ゲーム/ エニグマと天才数学者の秘密①〜

  「エニグマ」   1931年ロンドン。ブレッチリー無線機製造所に一人の青年が訪れる。 紹介書には「数学の天才だと書いてある」 英国海軍デニストン中佐が面接に当たる。 青年はアラン・チューリング27歳。中佐はドイツ語のできないアランに どうやってドイツ語の暗号通信を読み解くの...

本当はなんだったのだろう

〜小さいおうち㉛〜

  本当はなんだったのだろう   タキは何も語らなかった。 「おばあちゃんのあの深い悲しみの原因は、本当はなんだったのだろう」 山田洋次の脚本に一言はさまった「本当は」がミステリアスです。 可愛がってくれた雇い主が死んだという悲しみなら話は単純だ。 わざわざ「本当は」などと言わ...

どうしてもどうしても

〜小さいおうち㉚〜

  どうしてもどうしても   タキの遺品整理している遺族が封をされたままの古い手紙を見つけた。 差出人は「時子」。 「きょうのお昼過ぎ、1時頃にお訪ねくださいませ。 どうしてもどうしてもお会いしたく思います」 このあと時子は夫とともに防空壕で死んだ。 タキは二人を会わせなかっ...

始まったものはいつか終わる

〜小さいおうち㉙〜

  始まったものはいつか終わる   時子の手紙を持ってタキは板倉の下宿に向かいました。 いつまで待っても板倉はこなかった。 「その日からしばらく奥さまは精気を失いました。こうやって坂の上の 小さいおうちの恋愛事件は幕を閉じました」 戦火が激しくなり、タキは故郷に帰ることになった...