Diversity Studies

なぜ炭鉱支援を?

~パレードへようこそ⑱〜

  なぜ炭鉱支援を?   マークは記者に聞かれます。「なぜ炭鉱支援を?」 「彼らが石炭を掘り、石炭の作った電力でゲイが朝まで踊れるから」 イベント開催に向け、Tシャツを売る、バッジを売る。製品は 続々会場のショップに並べられ、ジョーはLGSM公式写真家と名乗り カップルをカメラ...

ゲイには伝統がある

~パレードへようこそ⑰〜

  ゲイには伝統がある   ゲイとレスビアンが炭鉱ストに口を出していると、 タブロイド紙は大々的に報道しました。 委員会のゲイ嫌い一派は 「国中が笑っている。ゲイの支援は打ち切るべきだ。次の委員会で採決を」 と息巻く。 マークは反撃に打って出る。 「ゲイには長いあいだ継続さ...

新聞社? 記事になる話が…

~パレードへようこそ⑯〜

  新聞社? 記事になる話が…   同性愛嫌悪は村に根強かった。 急先鋒は婦人支援委員のモーリーンです。 「ゲイの支援を受けたら物笑い」だとLGSMの協力を拒否します。 長い偏見に慣れた村では、彼女の主張は受け入れられやすかった。 モーリーンはある日ロンドンの新聞社に電話しまし...

お前らの腕と脚を折ってやる

~パレードへようこそ⑮〜

  お前らの腕と脚を折ってやる   マーティンはシャーンの夫。 シャーンは支援物資の仕分け係でしたが、LGSMメンバーの受け入れを 提言したことから、村の中心的存在になります。 マーティンは同性愛に否定的でした。しかしメンバーと接触し、 彼らに対する差別がいかに理不尽なものかわ...

パンとバラを

~パレードへようこそ⑭〜

  パンとバラを   「僕らがロンドンに帰ったら攻撃を始める。 前進するためには攻撃が必要だ」とぶち上げた。 意気軒昂な姿勢に女性たちが歌で応えた。 「この人生はつらく悲しい。生まれてから死ぬまで、体と同様 心も飢えている。パンとバラを。私たちは前進する。 これまでに死んだ無...

ここの石炭は特別だ

~パレードへようこそ⑬〜

  ここの石炭は特別だ   委員会の書記で、村の長老格、クリフがこんな話をします。 「ここの石炭は特別だ。パーフェクトなんだ。 大西洋断層帯というんだ。スペインのこのへんから始まって ビスケー湾の下を通って、南ウェールズの地表に。 そこから大西洋の海底を何マイルも、何マイルも通...

笑い者にされたい?

~パレードへようこそ⑫〜

  笑い者にされたい?   ゲイの支援を拒否する一派はしかし強硬でした。 「ゲイの力を借りて救われた炭鉱と、笑い者にされたい?」 そこへさらなる追い打ちがかかった。エイズの世界的な流行が報道された。 冷静に真実を見極めようとせず、噂や伝聞が差別を煽りました。 ストは42週目に入...

俺が手本を見せてやろう

~パレードへようこそ⑪〜

  俺が手本を見せてやろう   ジョナサンが踊っている村の女性たちの輪に近づいて 「ここの男たちは踊らないのかい」 「お尻を動かせないのよ」「プッ。俺が手本を見せてやろう」 ここから数分、ジョナサンのダンスが圧巻。 女性たちは「見て、彼って最高!」 テーブルに上がってステップ...

何やってるの!ゲイと話しなさい

~パレードへようこそ⑩〜

  何やってるの!ゲイと話しなさい   それでも会場のあちこちでお互いに興味を持つ会話があった。 「レスビアンは菜食主義なの?」「私とゾイはビーガンよ」 こっちでは「二人が夫婦なのはわかるけど、僕が知りたいのは…」 「あのこと?」「家事はどっちがやるの?」 そっぽを向いているグ...

俺たちはロンドンでも殴られ

~パレードへようこそ⑨〜

  俺たちはロンドンでも殴られ   歓迎会は惨憺たるものでした。 マークの挨拶に村人は冷たい視線。 「僕らは皆さんの力になりたかった」というマークに 一人席を立ち、二人立ち、会場は閑散。 控え室に引き上げたメンバーはため息をつく。 「俺らはロンドンでも殴られ、ウェールズでも殴...