「エリオ、君か」

「エリオ、君か」

 

 

季節は冬。一面の雪景色だ。

夏の間、短パン一つ、上半身裸で過ごしていたエリオは

品のいい柄もののシャツと黒いパンツ、どことなく大人びている。

電話が鳴った。

「エリオ、君か」オリヴァーだった。

「君やご両親は元気か」

「みな元気だ」

「会いたい」

「僕も、会いたい、会いたい」

思うに、駅で別れて以来この時まで

オリヴァーは何も言ってこなかったみたいです。

沈黙は意図的で、明らかにエリオを避けていました。

〜「君の名前で僕を呼んで」〜

 

bn_charm