弟のアレクサンドルだ
2学期が始まった。
アレクサンドルの兄は同じ学校の上級組だった。
「弟のアレクサンドル。サール侯爵の相続人のジョルジュ。
優等賞の常連で、まもなくアカデミー会員だよ」
兄の紹介で2人は握手した。
生徒たちの集まる大食堂で、立たされて食事している。
「弟は何の罰なの?」
「駅で切符をなくし、嘘をついたんだよ」
ルシアンが話しかけるがジョルジュは上の空。
アレクサンドルと目と目でうなずいている。
ルシアンはピンとくる。
〜「寄宿舎〜悲しみの天使〜」〜