修道院よ
「パパ」
トランクを持ったジャニーヌに、パパ、ママ、ドキッ。
「どこ行くの?」
「フィシェルモン(ベルギーの田舎)」
「また新しい思いつき?」
「修道院よ」
「あんた、正気? 荷物を置きなさい」
ママ、夫に向き直り「一度くらいこの子を叱ったらどうなの!」
「娘が自分で決めたことだ」
「身勝手にもホドがある。
修道院なんて人生や男を恐れる女が駆け込むところよ」
フランソワーズもうろたえた。「私を見捨てないで」
「育て方を間違えたわ。勝手に地獄に堕ちるがいい」
母親が引導を渡した。
身勝手としか言いようがないですが、ジャニーヌにすれば
「試してみたかったの。一生に一度は」
呟いて家を出た。
〜「シスタースマイル」〜