思い出したの。動画があった
「入ってもいい?」おずおず訊いたマディソンに
「ええ」と招じ入れ、まずマディソンの不安を除く。
彼女はレストランでよっぱらって記憶がなかった。
あの時部屋にいた男が自分に何をしたか、マディソンは
恐れていたからだ。
「あの男は何もしていない。あなたに触れてもいない」
マディソンはキャシーが脅かしただけだったと安心し、
「見せたいものが。思い出したの。動画があった。
バカげたやつが回ってきたの。私にもみんなにも。
電話は全部録ってある。写真とかも。これよ」
そう言って、ケータイをテーブルに置いた。
〜「プロミッシング・ヤング・ウーマン」〜