君の冷酷さを愛した

 

君の冷酷さを愛した

 

死の数日前、ブランシェは言った。

「私を愛しているか」「いいえ、私は娼婦よ」

「私は愛している」「若い体が欲しかっただけよ」

「そうじゃない、君の冷酷さを愛した」

「仕事だもの」「死ぬ前に贈り物をしたい」

「お好きに」

「何が欲しい?」

「お金よ」「いくらならいい」

「全部。スイスの銀行口座も、株式も、銀行の貸金庫も。

不動産はいらない」

ブランシェは銀行家の目の前で現金、有価証券を

私の口座に移した。

 

〜「女はみんな生きている」〜

 

 

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