読了 明朝9時わが家へ
ヴィオレットは電報を受け取った。
「読了。明朝9時わが家へ ボーヴォワール」
仕事が早いですね。胸をときめかしヴィオレットは出かけた。
ボーヴォワールも注目されたとはいえ、まだ駆け出しです。
しかしヴィオレットが惹かれたのは小説の表現力だった。
「招かれた」の主人公は、ボーヴォワールと
彼女の当時の教え子とサルトルの三角関係です。
色恋に足をすくわれない突き放した書き方がヴィオレットには
新鮮だった。
以後、ヴィオレットにとってボーヴォワールは生涯の指針となります。
〜「ヴィオレット〜ある作家の肖像〜」〜