結婚を拒否している

 

最後の手紙にゆるしてと

 

お嬢さまが姉の死に触れた。

「最後の手紙に許してと」

「なにを許すのですか」「逃げることを」

「結婚からですね」「なにをご存知?」

「相手はミラノの方だと」

「私もそれだけ。だから不安なのです」

不安にならない方がおかしい。

「考えようでは?」とマリアンヌ。

お嬢さまにとっては

(わかっていないくせに)無神経な言い方に聞こえます。

「どう考えろと?」(そら、そうだよな)

 

〜「燃ゆる女の肖像」〜

 

 

bn_charm