結婚を拒否している

 

海に入りたい

 

翌日、マリアンヌはお嬢さまと浜辺に出た。

水平線までなにひとつない海が広がっている。

砂浜に座り「海に入りたい」とお嬢さまは遠くを見てつぶやく。

「今日は波が高いです」とマリアンヌ。

「滞在は何日?」「あと6日です。泳ぎは?」

「どうでしょう。泳いだことがない」

「では危険です」

マリアンヌはお嬢さまが膝で組んだ指先を見ている。

隙を見てマリアンヌは岩陰で素早くスケッチを起こす。

 

〜「燃ゆる女の肖像」〜

 

 

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