本当にそう思ってる?
ルディを送って小汚いアパートに来ました。
「ここは仮住まいよ。マリブに家を建てているの」
もちろんウソ。
「待ってくれ。これを」
ポールは名刺を渡し「電話してくれ」
ルディはちょっとためらい「本当にそう思っている?」
ここにもそれまでのルディが味わったつらい経験が滲んでいます。
場末のバーで歌うドラグクィーンに、
本気で付き合う男なんかいなかった。
こいつも多分、そうだろう。でも嬉しかったとみえ、
ポールの頬にチュッ。
〜「チョコレートドーナツ」〜