二度と戻らないわよ

 

院長先生、感謝します

 

養護院の院長がリー・ミンからの手紙を受け取った。

「院長先生、感謝します。裁判の間、先生の証言を聞きました。

施設にいた私を褒めてくださった。

正直言って、褒められたのは初めてです。

他の証言や審判は私たちに何の意味もありません」

孤児のリー・ミンには人に褒めてもらったり、やさしくしてもらったり

そんな温かい記憶がないのでしょう。

孤独な環境だった。そして巡り会ったのがアンだったのに。

 

〜「中国の植物学者の娘たち」〜

 

 

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