私は恐ろしいほど孤独だった
植物園には大きな温室があります。
アンは幻覚作用を起こす植物を植え、陶酔することがあります。
この日、アンはリー・ミンにその作用を施しながら低い声でささやく。
「あなたが来る前、私は恐ろしいほど孤独だった。
あなたが現れ、もう孤独でなくなった。
これは、私の発見。この植物は幻想的な気分にさせ幻覚を引き起こす」
アンは草の褥(しとね)にリー・ミンを招き
「目を閉じて深呼吸を」
リー・ミンは遠い過去の埋もれた記憶の世界に入っていきます。
このあたりから映画は、二人が何かを共有するために現実を離れていく、
魂の離脱のような感覚をかもしてきます。
ラストへの一種の伏線です。
〜「中国の植物学者の娘たち」〜